家畜にはヒトにおけるような真性癲癇は起こらないようだが、感染症や中毒症などの併発症や後遺症として癲癇様症状が起こる。
発症例の多いのは犬です。
症状的には痙攣が連続する症例と間欠的に起こる症例があります。
持続性痙攣に用いる薬物
持続性痙攣ではジアゼパムかペントバルビタールを静注して痙攣を止める。
ゆっくり静注して発作が止まったら注入を止める。
用量が多すぎると予後が悪い。
クロルプロマジンなどのメジャートランキライザは禁忌であり、用いると症状が悪化する。
痙攣が止まったあとに再発防止の目的でフェノバルビタールかジアゼパムを経口投与する。
間欠性痙攣に用いる薬物
●フェノバルビタール
犬の癲癇様痙攣に対して、フェノバルビタールは現存する薬物のうちで最も有効性の高い抗痙攣薬です。主な作用機序として小脳運動系への抑制作用が挙げられています。
犬猫の間欠性痙攣に対して1日2回の経口投与によって長期にわたって発作を防止することができる。副作用としては抗利尿ホルモン分泌抑制による多飲多尿が最も特徴的です。
フェノバルビタールの欠点は有効用量が鎮静用量であり、連続投与によって体内濃度が催眠濃度になり易い点です。
したがって連続投与では正常な日常行動を期待できなくなる。
このような背景から、人体用抗癲癇薬の殆ど全てについて犬に於ける有効性や副作用が試験されたがフェノバルビタールより優る薬物は発見されなかった。
フェニトイン(phenytoin, ジフェニルヒダントイン diphenylhydantoin)
フェニトインは人体用の代表的な抗癲癇薬であり、癲癇痙攣の域値を上昇させる。
犬猫での有効血中濃度は1.5~3㎍/mlと狭く、この範囲以上になると副作用が発現する。
犬の血中半減期は4~6時間であるから有効血中濃度を維持するためには1日4回以上の投与が必要です。
猫では消失が遅い(半減期が約7日)ので反復投与は危険です。
したがってフェニトインを犬猫に使用することは極めて困難です。

