
原産地はスイスのベルン県ザーネン谷で、代表的な乳用種です。ザーネン地方は海抜1,000mの肥沃な傾斜地で、よい放牧場があり、家畜を飼うには理想的な環境です。
したがってヤギは春5月ごろより春生まれの子ヤギを連れて放牧され、夏は漸次高所へ行き、2,000m以上の場所まで行きます。
秋には逆に、また山を降り9月~10月ごろ低地に帰って、種付されます。そして冬は舎飼いです。濃厚飼料は冬に少量与えるだけです。
このような環境でできたザーネンですから、高冷な乾燥地に向くような品種に自然になってしまうはずであり、事実そうなったのです。
その間、選抜に力を入れて改良を進めたことはもちろんです。
ザーネンの外観
被毛は白色または乳白色、雌は乳用型でいわゆるクサビ型を呈します。体格は乳用ヤギのうちで最大で、成体重は、雌50~60kg、雄70~90kg。
頭はやや長め、耳は前方に向いて立ち、無角を原則とする。
雌雄ともに毛髯をもつ、肉髯はあるものとないものがあります。乳器の発達は良好、骨細く体全体が角ばっています。
能力
ふつう泌乳期間270~350日、総乳量500~1,000kg。とくに優秀なものは1,500kg以上も出すものも珍しくはない。脂肪率は3~4%、早熟で春生まれのものを、その年の秋に種付しうる。
産子数もふつうは1頭ですが、双子または4つ子も珍しくない。泌乳と体型を子によく伝えるから、各種の乳用ヤギの改良に用いられました。
高温多湿の環境にはいくぶん弱い。
分布
スイスをはじめとして、世界各国に広く分布しています。
それぞれの国において、体型、能力にある程度の差異ができています。本邦にも明治39年(1906)以後、スイス及びイギリスから何回も輸入されて、日本ザーネンの作出に貢献しました。
