亜鉛 Zink Zn ~ 療法・証明法

ビーブラスト・テキスト


亜鉛中毒の療法



解毒薬としてはタンニン、硫黄華、煆性マグネシウム、重炭酸ナトリウムを用い、同時にブドウ糖の注射、卵白、牛乳、粘液などの包摂薬を内用させます。


その他は対症的で強心剤や興奮剤の注射です。

証明法



有機物の大量をとり塩酸とクロール酸カリウムで分解し、玆に得た塩酸性溶液に硫化水素を通じ濾別します。


濾液に醋酸ナトリウムを充分に加えて硫酸を悉くナトリウムに化合させ、その液に更に硫化水素を通ずる。これを良く振盪して熱すると硫化亜鉛は白色の沈殿物となるから、速かに濾過し、なるべく空気の流入を避けながら硫化水素水で洗滌し、磁製ルツボで焼灼し、残留物は稀硫酸と共に温浸し濾過して得た液(鉄を含むから黄色です)に炭酸ナトリウムを加えて中和し、次に醋酸ナトリウムを加えて煮沸し、析出した醋酸鉄を濾別します。


この醋酸性濾液に就いて次の反応をみます。

(1)硫化水素は硫化亜鉛の白色沈渣を生じ、これは鉄酸に容易に溶解し醋酸ナトリウムを加えると再び現れる。

(2)黄色血滷塩は白色の沈渣(フェロチャン亜鉛)を生じ、これは煮沸カリウム滷汁に溶ける。

(3)炭酸カリウムあるいは炭酸ナトリウムを加えると白色沈渣(炭酸亜鉛)を生じ、この沈渣を乾燥し焼灼し、後に硝酸コバルト溶液で湿して焼灼すると緑色となります。

(4)カリあるいはナトロン滷汁を加えると白色の水酸化亜鉛を沈澱します。これにクロールアンモニウムを加えると沈渣は再び溶解します。



なお注意すべきは酸化亜鉛および炭酸亜鉛は水に溶解せず、時によると検査物より機械的に分離し得る。

定量法



前記の醋酸性溶液の一部分をとり、これに硫化水素を通じて亜鉛を沈降させその沈渣を前記の注意の下に洗滌乾燥して焼灼し秤量します。


硫化亜鉛の100分中亜鉛は67.03分を含む。

キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
スポンサーリンク
336×280
スポンサーリンク
336×280
error: Content is protected !!