ビタミンK(vitamin K, VK) ~ 全身性止血薬(systemic hemostatics)


全身性止血薬(systemic hemostatics)



血管が破綻した場合にどの程度の出血になるかは、①破綻した血管の種類・破綻の程度と周辺組織の状態、②血小板の性格と量、③血液の凝固性、④繊維素溶解因子などの抗凝固活性の状態で決まる。


以上の要因を出血の4要因といいます。


全身性止血薬は出血性素因のある疾病における出血の予防治療に用いる薬物であるから、いずれの薬物も何らかの形で出血性要因に影響して止血を促進する。

ビタミンK(vitamin K, VK)



ビタミンKは2-メチル-1,4-ナフトキノンの誘導体で、体内に不足するとプロトロンビン欠乏性の出血性素因の原因になる物質の総称です。


VKには植物由来のVK₁と動物由来のVK₂と合成品のVK₃があります。

欠乏症状



VKは脂溶性ビタミンに属しますが、AやDと異なって体内に蓄積されないので常に補給されていることが必要です。しかし哺乳動物では腸内微生物がVKを合成するので、欠乏飼料を給餌しても容易にはVK欠乏症にならない。


クマリン誘導体やキノリン誘導体などのVK拮抗物質が摂取されるとVK欠乏性の全身性出血が発症する。


鶏のヒナはVK要求度が高く、VK欠乏飼料を給餌すると容易に欠乏症状が発現する。また産卵鶏に欠乏飼料を給餌すると産まれた卵の孵化率が低下します。

体内動態



VK₁とVK₂の腸管吸収には胆汁の存在が必要ですが、水溶性VK₃の吸収には必要ではない。


筋注後の吸収は速やかです。VKは体内で代謝され、主として尿中に排泄される。

生理・薬理作用



肝でヒドロキノン型になってグルタミン酸γ-カルボキシラーゼの補酵素として働く。


プロトロンビンなどのVK依存性凝固因子がこのカルボキシラーゼによってジカルボン酸に変る反応は、この種の凝固因子の生成過程の最終段階にあたる。


従って因子欠乏患畜に投与したVKは速効性です。


特にVK₁の静注用製剤が速効性であり、注射後15分以内に血中のプロトロンビン濃度が上昇し始める。

臨床応用



出血性疾患では多くの場合にVK依存性因子が欠乏するのでVKが汎用される。


またVK拮抗性化学物質による中毒の治療にも用いる。


VK₁の静注用製剤はゆっくり注射しないと副作用の発生頻度が高く、危険です。

キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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