ワクチン ~ 家畜のウイルス病に関しては現在の他の医薬品には有効で実用性のある予防薬・治療薬がなく、専らワクチンに頼っている



ワクチンは伝染性疾患の予防・防疫に用いられており、生物学的製剤のほとんどを占めています。特に家畜のウイルス病に関しては現在の他の医薬品には有効で実用性のある予防薬・治療薬がなく、専らワクチンに頼っている。

ワクチンの種類



微生物を殺滅した不活化ワクチンと、低病原性または異種ウイルスを用いた生ワクチンとがあります。


またウイルスの病原部分をバイオ技術で除去したワクチンもあります。

受動免疫



ワクチンを投与してその個体に免疫を付与する能動免疫と、抗体を投与する受動免疫とがあります。元来、後者は血清注射を意味していたが現在では妊娠動物を免疫して抗体を新生子に経乳移行させる方法を指す場合が多い。

ワクチン製剤


凍結乾燥

生ワクチンは凍結乾燥することが多い。これによって保存が容易になり、水に溶解した時に親水性コロイドになり易くなる。


キャリア

生物学的製剤では賦形薬をキャリアと呼んでいる。通常、水を用いるが特殊な投与法には特別なキャリアを用いることもある。


アジュバント

生物学的製剤ではワクチンの免疫効果を高めるために製剤に加える佐薬をアジュバントと呼んでいる。


①アルミニウム塩

水酸化アルミニウムなどのゲルは抗原と静電結合し、注射後の抗原が徐放性になるために、免疫効果が高まる。最も汎用されるアジュバントです。


一部の特殊なワクチンを除けばアルミニウム塩だけが市販ワクチンのアジュバントとして用いられています。


②その他

油エマルジョンは鉱油と乳化剤を加えたアジュバントで、抗原を薄い油膜で包むのでマクロファージに貪食されやすくなる。

サポニンや細菌の菌体抽出物も同じ目的に用いられる。


③組み換えワクチン用

組み換えワクチンの抗原遺伝子のDNAであるから、その有効性には優れたベクター(運搬体になるウイルスやDNA分子)の存在が前提になる。


ワクチンの投与経路



一般には皮下注か筋注ですが、一部は経皮、吸入、経口投与の製剤もあります。

ワクチンの安全性

ワクチンの安全性は対象動物に対する急性的な症状観察によって判断されている。したがって、①慢性的な毒性や疾患を発現させる可能性や、②対象動物以外の動物種に対する安全性の確認は十分とはいえない。


生ワクチンは対象動物以外の動物種に対して不測の病原性を示すことがある。


本邦は新しい生ワクチンの承認に極めて慎重な国です。


ワクチンの国家検定



生物学的製剤はその有効性と安全性に関して製造ロットごとに国家検定を受ける。

キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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