中毒

家畜中毒

DDT・BHC ~ 中毒の原因

中毒の原因DDTやBHCは人畜に対して毒性は弱いといわれますが、これは農薬として使用する濃度という条件であつて、過量の場合や薬剤の状態によって障害を及ぼし、DDT、BHCともに家畜の自然中毒は少くない。中毒の原因は粉剤を直接舐めたり、撒布後...
家畜中毒

中毒の診断 ~ 臨床的診断

動物における中毒の診断は例外を除き一般に困難ですが、殊に慢性中毒の場合は一層困難となり「不明な病状のときは中毒をも考えよ」といわれる所以で、これには臨床的、病理解剖的、化学的ならびに生理学的の総合判断を必要とし、特に中毒の原因となった植物の...
家畜中毒

家畜に対する中毒作用の差異 ~ 家畜の種類・年齢および大きさ・性・改良淘汰・個体

家畜の種類毒に対する感受性のうち第一に列するものは家畜の種類で、あるものには何ら影響を及ぼさないのに拘わらず他の動物に向い致命的な害作用を与える場合があります。例えばベラドンナは人に対し極めて有毒ですが犬猫および鳥類には有毒、馬および豚には...
家畜中毒

家畜に対する中毒作用の差異 ~ 毒の形状・用量・毒物の新旧・植物毒成分の変化・動物体より毒物の排泄

同じ毒物でもその作用が常に同一でなく種々の事情によって差違があります。その理由としては毒そのものの変化と家畜の感受性が挙げられます。すなわち前者にあつては毒の種類、形状、用量、新旧、用い方などで、後者は家畜の種類、年齢、性、強弱、素因などで...
家畜中毒

家畜中毒の原因 ~ 有毒動物の咬刺による中毒・色素毒による中毒・毒物混入の飼料、飲水による中毒・肥料による中毒・飼料に用いるものによる中毒・人工的中毒

有毒動物の咬刺による中毒これは比較的少く毒蛇をはじめ蜂、毛虫などがあり特に本邦ではクヌギケムシによる放牧馬の中毒があります。狂犬病は濾過性病毒による伝染病ですが咬傷による一種の中毒です。この他稀に芫菁や蜂類による家畜の中毒があります。色素毒...
家畜中毒

家畜中毒の原因 ~ 有毒植物による中毒・腐敗醗酵飼料による中毒・工業製造所付近に発生する中毒・薬品の過失による中毒・害虫・駆鼠剤による中毒・悪計による中毒   

有毒植物による中毒家畜は元来有毒植物を避ける本能を有しますが飢餓の場合や緑芻の欠乏したときは貪食して重症な中毒をおこします。たとえば早春の放牧や夏期旱魃期に当っては緑色、多汁植物を慕い中国地方の牛のネヂキ、北海道の牛のドクゼりおよび馬のエゾ...
消化と栄養

重金属解毒薬(heavy metal antidotes) ~ 重金属中毒の解毒に用いる薬物はいずれもキレート化物質

重金属中毒の解毒に用いる薬物はいずれもキレート化物質(chelators)です。共通的性格科学的特色キレート化物質とは①フレキシブルな基本骨格を持ち、②二つ以上の官能基が金属と結合できる化合物です。キレート化物質は金属とイオン結合して安定な...
ウマ(馬)の病気

ザミアスタッガー(Zamia staggers) ~ ソテツ科の植物を摂取することによって起こる馬の中毒症状

ザミアスタッガーは、よく知られているサゴヤシを含むソテツ科、ソテツ目、マクロザミア属、ザミア属の植物を摂取することによって起こる馬の中毒症状です。これらの植物は、世界中の熱帯・亜熱帯地域に自生しています。アメリカでは、南部の州やハワイでよく...
ウマ(馬)の病気

ピロリジジンアルカロイドの毒性(Pyrrolizidine alkaloid toxicity) ~ 馬における肝障害の一般的な原因

ピロリジジンアルカロイド (PA) 毒性は、馬における肝障害の一般的な原因です。ピロリジジンアルカロイドを含有する生または乾燥した植物材料 (通常、特定の地域では一般的な雑草とみなされる) を繰り返し摂取することによって引き起こされます。P...
ウマ(馬)の病気

ドクニンジンの毒性(Poison hemlock toxicity) ~ 植物のすべての部分に毒性がある

ドクニンジン(コニウム・マクラツム:Conium maculatum)は、ヨーロッパや西アジアが原産の一年草または二年草です。アメリカやオセアニアには観賞用として導入されています。ドクニンジンは、高さが約3メートルにもなり、ニンジンに似てい...
ウマ(馬)の病気

ファラリス中毒(Phalaris toxicoses) ~ クサヨシ属の植物を摂取することによって引き起こされます

ファラリス中毒は、クサヨシ属の植物を摂取することによって引き起こされます。最も頻繁に見られるのは、 オニクサヨシ (Phalaris aquatica)、クサヨシ (P.arundinacea)、セトガヤモドキ (P.paradoxa)、 ...
ウマ(馬)の病気

馬のシマスズメノヒエふらふら病(Paspalum staggers) ~ シマスズメノヒエの摂取から生じる馬の神経疾患

シマスズメノヒエふらふら病は、クラビセプス・パスパリ(Claviceps paspali)の菌核(麦角)を含むシマスズメノヒエを摂取することで生じる馬の神経疾患です。この症状は、ホソムギ(ペレニアル・ライグラス(ロリウム・ペレネ:Loliu...
ウマ(馬)の病気

キョウチクトウの毒性(Oleander toxicity) ~ 世界中の動物中毒の主な原因となっています

キョウチクトウ(夾竹桃:Nerium oleander)は、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木で、世界中の動物中毒の主な原因となっています。キョウチクトウは熱帯および亜熱帯地域で見られ、花は、およそ6月より残暑の頃...
ウマ(馬)の病気

ナス科植物中毒(Nightshade poisoning) ~ ナス科植物 (ナス科) の摂取は馬に有毒

ナス科植物 (ナス科) の摂取は馬に有毒です。馬の神経系と消化管に有害な影響を及ぼすことで知られている種々の有毒なアルカロイドを含む大規模な植物群です。馬へ最も影響する2つの毒素には、グリコアルカロイドとトロパンアルカロイドが含まれます。イ...
ウマ(馬)の病気

カビの生えたスイートクローバー中毒(Moldy sweetclover poisoning) ~ 正常な血液凝固を妨げ、出血などの血液異常を引き起こします

セイヨウエビラハギ(Melilotus officinalis)は、ヨーロッパとアジアに自生する、甘い香りの、直立した、越年草です。 飼料作物として栽培され、Melilotus属の植物はスイートクローバーと呼ばれるほど、世界的にみるとは乾燥...
ウマ(馬)の病気

マシュマロ(ウサギアオイ)中毒症(Marshmallow toxicosis) ~ 馬がウサギアオイという植物を食べることで起こります

マシュマロ中毒症は、馬がウサギアオイ:兎葵(Malva parviflora)という植物を食べることで起こります。植物に含まれるシクロプロペン脂肪酸が馬の脂肪酸β酸化を阻害し、その結果、エネルギーバランスがマイナスになると考えられています。...
ウマ(馬)の病気

ヒマシ油の毒性(Castor Oil Toxicity)

トウゴマ:唐胡麻(Ricinus communis)の種子から得られる油は、ヒマシ油とも呼ばれ、トウダイグサ科トウゴマ属の長寿命の多年生低木の一種です。トウゴマは東アフリカ原産ですが、世界中の熱帯および亜熱帯地域に導入されています。この植物...
ウマ(馬)の病気

強心配糖体の毒性(Cardiac Glycoside Toxicity) ~ 強心配糖体含有植物の摂取によって引き起こされます

強心配糖体の毒性は強心配糖体含有植物の摂取によって引き起こされます。これらには、 キョウチクトウ科(Apocynaceae)、 ガガイモ科(Asclepiadaceae)、 ニシキギ科(Celastraceae)、 アブラナ科、ユリ科 (B...
ウマ(馬)の病気

ワラビなどのシダ植物の毒性(Bracken Fern Toxicity) ~ 抗チアミン物質が含まれ、これらを多量に摂取するとビタミン B1(チアミン)欠乏症が生じる

ワラビ(プテリジウム・アクイリンナム:Pteridium aquilinum)は多年生のシダ植物で、大きくて広い三角形の葉が特徴的です。ワラビは通常、砂や砂利質の土壌、乾燥した牧草地や草原、耕作放棄地に見られます。有害成分ワラビにはチアミナ...
ウマ(馬)の病気

非定型筋症(Atypical Myopathy) ~ 初期には嗜眠、食欲不振などの症状が見られる

季節性牧草由来筋症(SPM)としても知られる非定型筋症(AM)は、シカモアの種子、和名はスズカケノキまたはシカモアの実生を食べることによって引き起こされる馬の致命的な病気です。セイヨウカジカエデまたはトネリコバノカエデの種子にはヒポグリシン...
ウマ(馬)の病気

馬のマイコトキシン症(Mycotoxicosis) ~ 汚染された穀物を摂取することにより中毒症状を起こす

マイコトキシン症とは、マイコトキシンに汚染された飼料、干し草、サプリメント、副産物またはある種の牧草の摂取に起因する様々な症状を指します。マイコトキシンは糸状菌によって産生される毒性のある二次代謝産物です。全てのマイコトキシンが毒性を示すわ...
ウマ(馬)の病気

モネンシン中毒(Monensin Poisoning) ~ 馬の多くは症状が出てから48時間以内に死亡します

モネンシンは、ナトリウム塩 (モネンシンナトリウム) の形で使用される一価のカルボン酸であり、飼料添加物ペレットの形で通常購入されます。モネンシンは、イオノフォアと呼ばれる動物用抗生物質の一つです。家禽や牛の抗コクシジウム飼料添加物、成長促...
ウマ(馬)の病気

麦角中毒症(Ergotism) ~ 汚染された穀物やイネ科の牧草などから麦角を摂取すると麦角中毒を発症します

麦角中毒症は、内生菌(エンドファイトともいう)であるクラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)によって産生される菌核 (麦角) を摂取することによって引き起こされる疾患です。麦角菌核は硬い黒紫色の細長い生物で、様々な量...
ウマ(馬)の病気

馬のフェスク中毒(Fescue Poisoning) ~ 馬は麦角アルカロイドに非常に敏感

オニウシノケグサ(フェスツカ・アルンディナケア:Festuca arundinacea)は、米国南東部で最も豊富な冷涼期の草の一つで、3,500万エーカー以上の土地を占めています。牧草の62%は、内生菌(エンドファイト)であるネオティホディ...
ウマ(馬)の病気

アフラトキシン中毒(Aflatoxicosis) ~ アフラトキシンに汚染された飼料を食べることによって引き起こされる真菌中毒症

アフラトキシン中毒は、アフラトキシンに汚染された飼料を食べることによって引き起こされる真菌中毒症です。アフラトキシンは、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)とアスペルギルス・パラシタス(A.parasitus)と...
ウマ(馬)の病気

一年生ライグラス中毒(Annual Ryegrass Toxicity (ARGT)) ~ ライグラス種子が原因と考えられる中毒

一年生ライグラス中毒(ARGT)は、ラサイバクター・トキシカス(Rathayibacter toxicus)に感染したライグラス種子(Lolium rigidum)を摂取することによって引き起こされる致死的な神経疾患です。ラサイバクター・ト...
ウマ(馬)の病気

馬のパーキンソニズム(Equine Parkinsonism) ~ 最終的には馬にとって致命的なものとなります

馬のパーキンソニズムは、イガヤグルマギク(セントウレア・ソルスティティアリス:Centaurea solstitialis)やヤグルマギク属(セントウレア・レペンス:Centaurea repens)を繰り返し摂取することによって引き起こさ...
ウマ(馬)の病気

セレンの毒性(Selenium Toxicity) ~ セレンは馬にとって不可欠ですがセレンが多すぎると有毒になることがある

セレンは馬にとって不可欠ですが、セレンが多すぎると有毒になることがあります。セレンは土壌中に自然に存在し、その濃度は地域によって異なります。ほとんどすべての植物は土壌からセレンを蓄積します。セレン蓄積植物として知られる植物の中には、成長する...