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非臨床型乳房炎(subclinical mastitis)


非臨床型乳房炎



乳房に感染がおこって炎症が存在するにもかかわらず、外見上明らかな臨床徴候がなく、またミルクにも一見異常がないものは、非臨床型乳房炎といわれます。


しかし、産乳量の減少、乳質の低下およびミルク中の細胞数の増加が明らかであり、また、しばしば臨床型乳房炎に転化するため、乳房炎対策上おざなりにすることができない。


無乳レンサ球菌および乳房レンサ球菌の感染による乳房炎はこのタイプをとることが多い。


非臨床型乳房炎は、主としてミルクの検査によって摘発される。すなわち、炎症産物としてミルク中の白血球数の増加、フィブリン凝塊の存在、血清の混合があり、また化学的成分の変化としては血液からNaClとNaHCO₃がミルクに移行し、そのためpHがアルカリ側に傾く。


バルクミルクの細胞数を調べることによって、非臨床型乳房炎の存在の程度が判定できる。その際、細胞数が50万個/ml以下の時は問題となることはなく、一方100万個/ml以上の時は感染が拡がっていることを示します。


正常な分房から採取したミルク中の細胞数の分布およびバルクミルク中の細胞数と産乳量の関係は以下の表のようです。

正常分房から採取した前乳(690例)の細胞数の分布
●細胞数/ml
0~ 100,000
●分布
76.55%
●細胞数/ml
110,000~ 250,000
●分布
13.76
●細胞数/ml
260,000~ 500,000
●分布
6.23
●細胞数/ml
510,000~ 1,000,000
●分布
2.31
●細胞数/ml
1,000,000以上
●分布
1.15


バルクミルク中の平均細胞数と産乳量
●平均細胞数/ml
250,000以下
●産乳量の差(25万以下の群に対する%)

●平均細胞数/ml
250,000~ 500,000
●産乳量の差
-3.9
●平均細胞数/ml
500,000~ 750,000
●産乳量の差
-6.8
●平均細胞数/ml
750,000~ 1,000,000
●産乳量の差
-15.4
●平均細胞数/ml
1,000,000以上
●産乳量の差
-18.0



泌乳期に行う非臨床型乳房炎の治療は、臨床型乳房炎に対する場合よりも効果がある。


しかし、摘発に要する費用と汚染されたミルクによる損失を考えると、あまり経済的とはいえない。一方、乾乳期の処置は効果が高く、ミルクの損失もないので、この時期に牛群全体に対して治療を行うことが推奨されています。

キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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