ジュウシマツは燕雀目のキンパラ科の鳥で、原産地は中国南部・インドシナ、タイ、マライですが、この方面にいるキンパラ科のものを中国で交雑させてできたものが、現在のジュウシマツだと言われています。
また、一説によりますとダンドクという野生のものを改良したといわれ、その成因については良く分かりません。日本には、徳川時代に中国から輸入され、当時は非常に流行したことが歴史に残っています。
それ以来、飼い続けて今日に至っています。この為、色々と改良されてシロジュウシマツとか大納言などという変わりものが作り出され、今ではすっかり日本の鳥とされています。
非常に丈夫で、卵を次々と産み、上手に雛を育てるので他の鳥の仮親としてなくてはならない鳥になっています。
ジュウシマツの体形は、キンパラ科の鳥の代表的なもので、これによって各部の名称を覚えておくのが便利です。
各々の名は、目先、頬、耳羽、喉、胸、脇、背、腹、腰、下腹、初列風切り、ふしょう、脚などという名は飼い鳥の場合に良く用いますから、覚えておくことが必要です。
雌雄の見分け方は、雌雄が同じ羽色なので、区別が難しいのですが眼の光が強くて元気の良いのが雄。雌は、雄に比べると眼の光がなんとなくやわらかくて、全体に大人しく鳴き声も静かです。
ジュウシマツの原種に近いものは、黒褐色の汚い羽色をしています。それから次第に白い羽毛のものに改良が加えられて、今日では純白のものが作り出されました。
此れは白い羽毛の遺伝子が、黒褐色のものに比べて優勢なので白の多いもの同士を掛け合わせていくことによって、次第に純白のものが出来るのです。
●全身が白色のものを京美人と言います。
●全身が白色で頭の黒いものを田舎娘と言います。
●全身が茶色のものを烏羽玉(うばたま)と言います。
●頸の後ろに三日月のあるものを残月といいます。
●残月の頭の黒いものを日月といいます。
●全身が白色で尾に斑点のあるものを孔雀と言います。
●頭と背に斑点のあるものを時雨傘(しぐれがさ)と言います。
●背部に三色の斑点のあるものを三毛背残(みけはいざん)と言います。
●頭と胸の毛が逆立っているものを千代田梵天(ちよだぼんてん)と言います。
●千代田梵天の首に斑点のあるものを千代田梵天・日月と言います。
●頭上に二つの逆毛のあるものを二重梵天と言います。
●梵天で全身に逆毛のあるものを都錦(みやこにしき)と言います。