ショック(shock) ~ ショックは死戦期の病態であり、末梢循環不全のために末梢器官への酸素補給が不十分になることが最も顕著な特徴



ショックは死戦期の病態であり、末梢循環不全のために末梢器官への酸素補給が不十分になることが最も顕著な特徴です。

ショックの種類



病因的には3種類に大別されている。

血液量減少性ショック

出血、外傷、火傷、下痢などが原因になる。

中心静脈圧の低下のために心への血液帰還が不十分になって心拍出量が減少する。血圧が低下して血流分布が変わり、心・肝・脳への分布が高くなり、皮膚・筋・腎への血流量が低下する。

腎への血流量低下は危険な病態です。最初は反射性に呼吸が興奮するのでアルカローシスになるが、病状が進行すればアシドーシスになる。

この型では循環液量の確保、ドパミンによる腎血流量の確保、酸塩基平衡の補正が必要です。

心原性ショック

急性心不全による心拍出量の低下によって起こるショックです。この型のショックでは心機能の回復を急ぐ必要がある。

血管原性ショック

血管の一部の拡張とか収縮のために血液の血管内分布が大きく変化するために起るショックです。

原因としては①大腸菌などのグラム陰性菌の内毒素、②急性過敏症によるアナフラキシー、③脊髄や延髄の障害、例えば脊髄麻酔における局麻薬の過量投与による血管運動神経の麻痺などが挙げられる。

この型のショックでは病因によって治療方針が異なる。


ショックの病態



末梢器官の酸素欠乏によっていろいろな反応が連続的に起る。

●交感神経緊張は極端に高まり、血中のエピネフリン、ノルエピネフリン濃度が高くなる。
●レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の活性が高まる。
●アシドーシスが併発し、心機能を低下させる。
●肝の糖分解が促進されて過血糖になり、また血中のK⁺濃度も高くなる。
●血液の再分布の結果、粘膜が退色して乾燥し、皮膚の温度が下がる。
●さらに進行すれば腎、肺、心などが非可逆的損傷を受ける。


薬物療法


輸液

第一の療法は輸血や乳酸リンゲル液の輸液によって循環液量を確保することです。腎の血流量を確保するためにドパミンが添加されることが多い。

輸液には低分子のデキストラン40を配合することが多いが、副作用が出易い。

アドレナリン遮断薬

末梢循環を確保するためにα遮断薬が投与される。フェノキシベンザミンが選択薬ですが、クロルプロマジンで代用されることが多い。

逆に血管運動麻痺によるショックに対してはα作動薬を投与して血圧を上げる。

副腎皮質ホルモン

ヒドロコルチゾンやプレドニゾロンの水溶性エステルの静注は多くの型のショックに有効であると言われている。

作用機序は明確でない。

その他の薬物療法

アンピシリンなどの抗生物質は感受性菌によるショックだけでなく、他のショックに対しても用いられる。グラム陰性菌やその内毒素によるショックに対してはフルニキシンなどの非ステロイド系抗炎症薬も用いられる。

ヘパリンがDIC発症の予防に用いられることがある。また輸液が多量になるので利尿薬を配合する場合が多い。アナフィラキシーによるショックに対してはエピネフリンを用いる。

キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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