白帯裂(白線裂)とは、白帯の角質が崩壊または腐朽して、蹄壁と蹄底が分離した状態をいいます。
白帯裂の原因
一般に白帯角質の脆弱なものに多発し、特に広蹄・低蹄・平蹄・豊蹄・蕪蹄の場合は本症に罹りやすい。
白帯部の多削および蹄鉄の過度の焼付けや蹄鉄の適合不良は誘因となります。
このほか蹄の持続的湿潤・厩舎の不潔・蹄鉄改装の遅延・白帯部の異物刺入などがあげられます。
白帯裂の症状
装鉄蹄・跣蹄のいずれにも発し、ことに前蹄の内側白線に生じやすい。白帯裂は装鉄蹄では除鉄後、白帯を清潔にしてはじめて発見されます。
深さおよび広さは、局部の洗浄あるいは削切後に検査します。
分裂の浅いもの(浅裂)では、ほとんど跛行を呈しませんが、知覚部(肉壁下縁)に達する深いもの(深裂)では蹄真皮表層炎をひきおこし、疼痛のため顕著な跛行を呈します。
幼駒の放牧中にみられる白帯裂には、後者の例が多い。
なお、白帯裂は深部上方へ進行すると蟻洞を形成し、また慢性経過をとるものでは蹄壁の下部が拡張凹彎することがあります。
白帯裂の治療法
分裂した角質は癒合しないから、まず原因を除去して、健全な新しい白帯角質の発生を待たなければなりません。
正しい削蹄を行い、分裂部を清潔にしたのち、浅裂には木タールを塗布し、また深裂に対しては、消毒をほどこしたのち、いずれもガーゼを固く充塡して装鉄します。
装蹄にあたっては焼付けを軽くし、側鉄唇を設けるか、鉄枝の幅の広い連尾蹄鉄を装着して患部を保護します。
なお、跣蹄の場合は、分裂部に松脂を溶かして注入したのち、乾燥をはかります。