四級アンモニウム消毒薬(quaternary ammonium disinfectants)



洗剤として用いられる表面活性物質のうち、陽イオン性洗剤(逆性石鹸:invert soap)と両性イオン性洗剤の殺菌作用は強く、陰イオン性洗剤(旧来の石鹸)の殺菌作用は弱い。


中性洗剤には殺菌作用が殆どない。

四級アンモニウム消毒薬



陽性イオン系洗剤は強い塩基性を持つ四級アンモニウムに長鎖アルキルが結合した化合物であり、通常塩化物で用いられる。


代表的化合物にはベンザルコニウム(benzalkonium)やベンゼトニウム(benzethonium)がある。いずれも水によく溶ける。

●殺菌力

陽イオン系消毒剤の殺菌力はグラム陽性菌に対しては強いが陰性菌に対しては弱く、最小殺菌濃度MBCが100倍も異なる。


また、極めて低い濃度で静菌作用を示しますが、殺菌には最小発育阻止濃度MICの数百倍が必要です。したがって、全ての細菌を殺滅するには1%以上の濃度が必要です。


ウイルスに対する殺滅効果は極めて弱く、芽胞には無効です。


殺菌効果はアルカリ性で強いが酸性では弱い。また石鹸、蛋白、硝酸塩、フェノール、リン酸など多くの物質の共存によって殺菌力が弱まる。


●作用機序

陽イオン消毒薬はグラム陽性菌の細胞壁を容易に通過するが、脂質多糖類を含むグラム陰性菌の細胞壁の通過は非常に遅い。グラム陰性菌への効果が低いのはこのためです。


四級アンモニウム消毒薬の殺菌力はpHの低下と共に低下しますが、イオン分配仮説では説明できないのでイオン型でも有効だと考えられる。


●消毒薬としての利用

中程度の効力を持つ消毒薬ですが、毒性や粘膜刺激性が弱く、また安価です。


したがって、外皮用と防疫用に汎用されています。

スポンサーリンク
336×280