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膀胱脱出および内反・膀胱麻痺


膀胱脱出および内反(prolapse and inversion of the bladder)



膀胱の脱出は分娩時に腟の下壁に生じた裂創もしくは外傷によって生じた腹壁の開放創を通って生ずるものです。


この場合脱出した膀胱の外面は腹膜によって被われていることがあります。


脱出した膀胱を消毒して整復し、創口を縫合して整復する。


膀胱の内反は膀胱自体が反転したもので、膀胱底が尿道を通って膣内に突出している。時には一部で陰門から体外に現れる(脱出)。


内反した膀胱の外表は膀胱粘膜です。


尿管開口部が認められ、尿の滴下する様子をみることができることもある。雌馬では分娩時の陣痛が激しく、かつ膀胱頸が太いので、分娩中または終了後の雌馬におこり、また牛でもまれではない。


粘膜面を消毒したのち尿道を通して膀胱を整復する。なお、整復後、尿道開口部の腟壁に巾着縫合をほどこして、排尿を妨げない程度に開口部を狭くすることがあります。


なお膀胱は大網、小腸などとともに、またはまれには単独で腹壁ヘルニアを形成していることがあります。

膀胱麻痺(paralysis of the bladder, cystoplegia)



膀胱麻痺は外傷、たとえば骨盤骨折の際に膀胱またはその支配神経に損傷が生じた結果として発生する。また腰仙部脊髄の病変に合併して発生することもあります。


その他、尿道の閉塞の結果として、または多年にわたって室内で飼育された犬が排尿を拒否し、あるいはたまたま排尿の機会をもたなかったために、膀胱が過度に拡張して麻痺に陥ることもあります。


膀胱の筋層には出血があり、緊張が著しく失われる。尿道閉塞がなければ尿が少量ずつ溢れでる(尿失禁:incontinence of urine)。


このような際には膀胱炎が発生しやすい。


神経原性の膀胱麻痺の際は、はじめ膀胱は膨満し、体を動かすたびごとに尿滴をもらし、直腸または腹壁から手で膀胱を圧迫すると多量の尿が流出する。


のちには尿失禁がおこるが、一部の尿はつねに膀胱内に残留し、細菌の好適な培地となって膀胱炎を発する。予後は不良です。


その他の原因によって生ずる膀胱麻痺の予後は、注意を要する程度か、または比較的良好です


尿道結石による閉塞の場合は、ただちに結石を除去する。膀胱が膨満して尿が溢れ出る場合には手で膀胱を圧迫して尿を排泄させ、また消毒を厳重にほどこした上で、カテーテルを用いて排尿させる。


いずれも1日に数回試みる必要があります。