病名
ボツリヌス症
病因
Clostridium botulinum
主な宿主
ほとんどの鳥類
発症日齢
2~8週齢のブロイラー
病気の伝播
速い、毒素摂取、水平
死亡率
10~60%
症状
うずくまり、動きを嫌う、翼の下垂、頸部麻痺(首たれ)、眼瞼麻痺、白色下痢、肛門周囲の汚染、1~3日の経過で死亡
肉眼病変
なし
診断
臨床所見、毒素検出、抗毒素血清を用いて毒素同定、菌分離
予防・対策
オールアウト
ボツリヌス中毒をもっと詳しく
ボツリヌス中毒は、ボツリヌス菌が産生する毒素によって引き起こされる生命を脅かす病気です。いったん鳥に摂取されると、毒素は神経終末に結合して筋肉の動きを妨げます。
鶏は通常首の筋肉の麻痺と脱力を起こします。嚥下困難、まぶたの垂れ下がり、舌の脱力もみられます。この病気にかかった鳥は足が不自由に見えることがあり、立ちあがって数歩歩くだけで倒れることがあります。
翼が影響を受けると、両翼が両側に垂れ下がることがあります。進行速度は、摂取した毒素の量や病気の種類によって異なります。通常、ボツリヌス中毒の徴候は、毒素にさらされてから24時間から17日以内に現れます。
鶏はどうやってボツリヌス中毒になるのですか?
ボツリヌス菌芽胞は環境中に広く分布しており、粉塵、土壌、未処理水、腐敗物、腐敗した飼料、動物や魚の消化管などにみられます。また、ウジ虫もボツリヌス菌が潜んでいます。
ボツリヌス中毒の発生につながった食品には、缶詰や油漬けにした野菜、ベークドポテト、蜂蜜などがあります。創傷性ボツリヌス中毒は通常、ボツリヌス菌の芽胞を接種して生じ、接種した創傷内で増殖して毒素を産生します。
臨床兆候
●首の筋肉の麻痺と脱力
●嚥下困難
●翼の下垂
●筋力低下
●呼吸困難
治療
●支持療法
鳥を静かで隔離された場所に移動します。小さな容器に新鮮な水を入れます。ただし、鳥は簡単に溺れる可能性があるため、大きすぎないことを確認してください。 またストレスが掛からないように管理します。
●獣医師に電話する
ボツリヌス中毒の抗毒素トキソイドワクチンを入手して投与する
●ホメオパシー療法
※カーボベジ(1回投与で30C)
※マチン:Nux vomica:ナックスボミカ(1回投与で30C)
●活性炭
1g/kgを1日2回、最初の24~48時間経口投与。
予防
●ニワトリに腐った飼料やウジには給餌しないでください
●毎日の終わりに給餌箱からこぼれた飼料をきれいにしてください
●泥地、沼地、または湿地帯に見られるような、水のある場所にニワトリを近づけてはいけません。
●鶏にコンポスト(堆肥)を利用させない
●死んだ動物は、速やかに出来るだけ地中深く埋めるか、または焼却して適切に処分する。
●腐らせた野菜、特にキャベツを鶏には与えないでください。
●鶏用の自家製及び発酵食品の給餌に注意すること。

