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鉛 Lead Pb ~ 証明法

鉛 Lead Pb ~ 証明法 家畜中毒

 
 

鉛・証明法

 
 
鉛の証明には他の重金属と同様に、有機物の量が少いときは検体を灰化し、その灰分を硫酸で浸出します。
 
 
有機物の量が多ければフレゼニウス・バボー法によつて検体を壊機する。
 
 
前記方法の何れかによつて得た溶液に温に乗じて硫化水素を通じ少時間静置すれば鉛の存在によって黒色(塩酸溶液中では赤色→褐色→黒色となる)沈澱(硫化鉛)を生じます。
 
 
故にこれを濾過、洗滌、乾燥して採取します。
 
 
しかしながら同一の黒色沈澱は硫化水銀によつても生じますから、この二者を区別するため次の性質を検します。
 
 
すなわち鉛の場合は温めた硝酸に溶解しますが、アンモニア水、硫化アンモニア、硫化アルカリ、および塩酸には、溶解しないものです。
 
 
而して上記硝酸溶液について更に次の試験を行い鉛の証明をします。
 
 

(1)硫酸または硫酸塩類を加えると硫酸鉛の白色沈澱を生じ、この沈澱は水および酸に不溶解で硫化水素水あるいは硫化アンモニアを注げば黒色に変じます。
 
 
(2)塩酸あるいは塩化物を加えると塩化鉛の白色沈澱を生じ、この沈澱はアンモニア水に依って着色しない。
 
 
(3)ヨードカリを加えると沃度鉛の黄色沈澱を生じ、この沈澱は熱すると溶解します。
 
 
(4)クローム酸カリを加えるとクローム酸鉛の黄色沈澱を生じ、この沈澱はカリ滷汁で溶解します。
 
 
その他青酸カリ、黄色血滷塩、カリ滷汁、ナトロン滷汁、アンモニア、炭酸アルカリ等はそれぞれ青酸鉛、水酸化鉛および炭酸鉛などの白色沈澱を生じます。

 
 

鉛の定量法

 
 
動物体には中毒でなくとも往々鉛の微量を証明するから、定性のみでなく定量試験を要することがあります。
 
 
鉛の定量は前記のように硫化水素によって析出した硫化鉛を秤量するか(硫化鉛は86.6の鉛を含む)更にこれをルツボ中で燃焼灰化し、その灰分に稀硝酸を加えて温浸し、次で小ビーカー内に洗入し、これに硝酸を加え、次にアルコールを加えて白色粉末の沈澱(硫酸鉛)とし、続いてアルコールの含有水を用い傾瀉法によってよく洗滌、乾燥し、秤量します。
 
 
硫酸鉛は68.319%の鉛を含有します。

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