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植物毒中毒 ~ サポニン(Saponin)

5.0
サポニン中毒 家畜中毒

 
 
サポニン(Saponin)は一般に毒性があり、特に強烈なものをサポトキシンSapotoxinといい、比較的無毒なものと区別します。
 
 
主として雙子葉竝に単子葉植物に含有し次の性質があります。
 
 

(1)水溶液は永続性の泡沫を生じる。

(2)水溶液は辛辣味があり、血球に対し溶血作用があります。

(3)皮膚および粘膜を刺戟し炎症を起こす。

(4)健康な腸粘膜からは殆ど吸収されませんが、炎症や潰瘍があると吸収されて重症の中毒を起こします。

サポニンを含む植物およびその種類を示すと次のようです。

(1)ムギナデシコ ムギナデシコサポトキシン agrostemma-Sapotoxin

(2)ジギタリス ジギトニン Digitonin、ギトニン Gitonin

(3)サイカチ サイカチサポニン Gleditschia-Saponin

(4)ヤツデ ファトシン α-Fatosin、β-Fatosin

(5)サボンソウ サボンソウサポトキシン Saponari-Sapotoxin

(6)オニドコロ オニドコロサポトキシン Dioscarea-Sapotoxin

(7)ムクロジュ ムクロジュサポニン Sapindus-Saponin

(8)エゴノキ エゴサポニン Egosaponin

(9)キキョウ キキョウサポニン Kikyo-Saponin

(10)トチバニンジン パナックスサポニン Panax-Saponin

(11)ツバキ ツバキサポニン

 
 
サポニン中毒の例は、ムギナデシコに多くまた南方ではGrewia Microcosによる馬の中毒例があります。
 
 
ムギナデシコはサポトキシン(C₉H₃₀O₁₀)が主成分で、他にアグロステマ酸があり犬、馬、豚、犢、家禽の中毒例があります。
 
 

症状

 
 
サポニンは原形質毒で局所の充血、腫脹、膿瘍を生じ出血性炎症を起し、吸収されると溶血作用甚しく且つ神経系の機能障害を招きます。
 
 
主徴は嚥下困難、流涎、咳嗽、重症疝痛、甚しい下痢、血尿、蹌踉、痙攣、麻痺などを起します。
 
 
慢性中毒は豚に多く初期脱力、慢性下痢ならびに神経障害を来し漸次衰弱します。
 
 

療法

 
 
先ず飼料の変更をし、胃腸炎には粘滑包摂薬、麻痺には興奮剤を用いる。

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