他にオニゲシ(P.orientale)、ヒナゲシ(P.rhoeas)などがあります。
25種内外のアルカロイドを含有し、阿片アルカロイドと呼ばれます。
主成分はモルヒネMorphin C₁₇H₁₉NO₃で開花より結実のはじめに多く含有し、3~20%に達します。ヒナゲシはロエアジンRhoeadin C₂₁H₂₁NO₃およびロエアゲニンRhoeagenin C₂₀H₁₉NO₃です。
従来中毒の報告のあるものは牛、豚、馬で、羊、山羊は抵抗力に富む。
症状
牛は急性脳炎のように不安驚怖の状を発し、恰も狂気したように凝視、叫号、狂暴となり次いで癲癇様痙攣を現します。
即ち顔面筋の搐搦、頸部の痙攣性伸張、時に転倒して全身痙攣を発し次いで知覚の鈍麻、嗜眠、麻痺を見、これと共に流涎、疝痛、鼓脹、出血性下痢などの消化器障害を招きます。
脳症状は数時間で、1日に亘るものは少ない。
一般に症状に比して予後はよい。
療法
早期の場合は直ちに過マンガン酸カリ液(1000倍)の胃洗滌が最も効があります。
これは、酸化2モルヒネを生成して不溶性となるからです。
時間の経過した場合はタンニン剤を内用させ、下剤を処方し、灌腸を反覆します。また、拮抗薬としてアドレナリンの注射は効果があり、アトロピンも適量をもちいれば適当である。
その他ロべリンは呼吸中枢興奮に効があり、カフェイン、カンフルなどもよい。
モルヒネの中毒量および致死量(体重1kgあたり)
馬
●中毒量
0.007
●致死量
–
驢馬
●中毒量
0.009
●致死量
–
牛
●中毒量
0.015
●致死量
–
猫
●中毒量
0.04
●致死量
0.04~0.08
豚
●中毒量
0.2
●致死量
–
犬
●中毒量
0.3~0.055
●致死量
–
山羊
●中毒量
0.4
●致死量
–
兎
●中毒量
0.3
●致死量
0.3~0.8
モルモット
●中毒量
–
●致死量
0.5
マウス
●中毒量
–
●致死量
0.2~0.4
ハリネズミ
●中毒量
–
●致死量
0.0046~0.495、0.25
蛙
●中毒量
0.4
●致死量
0.6~0.8
鳩
●中毒量
–
●致死量
0.4399、0.25
鴨および鶏
●中毒量
–
●致死量
0.9

