家畜における中毒療法の第1要件は先ず原因を除去することです。
すなわち飼料の変換、放牧地や原野における毒植物の除去回避を行い中毒被害を防ぐと同時に病畜個体に対しては速やかに一般療法を実施します。
勿論原因が明瞭なものには直ちに有効適切な特殊原因療法を行うべきですが、斯様な場合は稀であるのと、一面中毒療法の要提は初期においてなされたか否かにあり、処置の遅速が転帰を左右することが多いからです。
第2は予後の速やかな判定です。
家畜中毒は健体中毒と称されるものが多く、一般にその転帰は速やかです。また適切な処置によってたとえ回復しても機能が完全に復旧しないときはその価値が著しく減殺されます。
すなわち後遺症あるいは継発症のため経過が長期にわたり乳量の減少ないし変質、毛、皮革、肉質の不良、労働の低下などを来すことも考慮しなければなりません。
(Ⅰ)原因療法
(Ⅱ)対症療法
(Ⅲ)全身療法
(1)毒物除去法
(2)科学的ならびに物理的解毒法
(1)循環器障害
(2)体温降下
(3)呼吸器障害
(4)興奮、痙攣
(5)疝痛
(6)脳充血
(a)吐剤
(b)胃洗浄
(c)下剤
(d)灌腸
(e)利尿
(f)瀉血、輸血
(g)発汗
(h)第一胃切開手術
(a)中和または無毒物質とする
(b)粘滑包摂剤
(c)吸着剤
(d)酸化剤
(e)生理的解毒剤
(a)心臓衰弱
(b)血管中枢
(c)末梢血管
一般療法は症状の如何を問わず原因となった毒物を除去する原因療法と、症状に従って処置する対症療法とに分つ。
前者は更に吐剤、下剤、利尿剤、瀉血、発汗などによって速やかに体外へ排泄させる方法と、解毒剤を以て直接無毒または不溶解性物質に変化するもの並びに粘滑剤、吸着剤を以て毒物の吸収を防止する方法があります。
また全身療法として肝臓における解毒作用とグリコーゲン問題も軽視されぬことです。
これを便宜上表示すると前記の通りです。

