関節の拘縮
関節の拘縮は関節をとりまく軟部組織の病変が原因となって、関節運動の減退ないし消失、関節の変形をきたした状態をいいます。
先天性拘縮は、主として子宮内での胎児の強制位によっておこります。
後天性拘縮は、皮膚の瘢痕収縮、皮下組織・靭帯・腱の短縮(主に瘢痕収縮)、筋肉の廃用萎縮・瘢痕収縮、神経の刺激または麻痺、関節包およびその内外の靱帯の収縮・萎縮が原因となっておこります。
関節運動障害および変形の程度は強直より軽い。
マッサージ、運動、超音波照射などの温熱療法により回復することがあります。
時には整形手術が行われます。
関節の強直
関節の強直は、関節面が骨または結合組織によって癒着硬化した状態で、線維性強直fibrousankylosisと骨性強直bony ankylosisに分けられます。
未完成強直と完成強直、部分強直と完全強直とがあります。
運動障害の程度は拘縮より明瞭です。しかし、線維性強直では、関節の可動性は多少の差はあれのこされていますが、骨性強直は多くは完全強直を示しています。
主として関節の創傷、挫傷、捻挫、脱臼、関節骨折、関節炎の後遺症として発生するもので、関節面の病的変化と関節の持続的な静止、固定が直接の原因です。
未完成強直は、拘縮の治療法に準じて行います。
完成強直には、そのような治療は無効です。
彎膝(Bent Knees or Bucked Knees)
橈骨近位端の外側靭帯結節(または肘関節の運動中心)からおろした仮想の垂線が、肘関節以下の側面を前後に二等分するのが正肢勢ですが、彎膝は正肢勢よりも前膝が前方に出ている状態です。
一般には尺側手根伸筋と尺側手根屈筋、あるいはそれらの腱の収縮の結果としておこります。
先天的には、胎生期の異常姿勢、カルシウムやビタミンの不足により、後天的には生後間もなく屈筋の未発達によって現れ、壮齢に至ってからは、不断の過激な労働の結果として発し、また屈腱炎の後遺症や変形性腕関節症の結果としても発することがあります。
なお、老齢のものにしばしば重度の彎膝がみられることがあります。
本症に対する適当な治療法がないので、なんら処理しないのが普通ですが、変形がひどくて機能を障害するような場合には、切腱術tenotomyを行います。
これは屈筋や屈腱の収縮による彎膝にのみ適用されます。

