肘関節部の炎症には、肘関節炎と肘腫とがあります。
肘腫は肘頭の挫傷性の粘液嚢炎です。肘関節炎は馬に多く、牛や犬では稀れです。
原因
肘関節は、これを被う軟部組織が薄いため、しばしば外傷性に、すなわち挫傷、刺創などによって、関節炎を発します。
時には付近の炎症(フレグモーネ)の波及によることもあります。
関節に透創がおきるときは、化膿性関節炎となる危険が大きい。また初生畜の膿毒敗血症の際、あるいはリウマチ性に発症することもあります。
症状
急性漿液性関節炎(非開放性)の初期は増温、腫脹があり、患肢は支撑、挙上、屈伸が不自由となり、混跛を呈します。駐立時には患肢を懸垂し、蹄尖で着地します。
馬では、しばしば刺創や蹴傷に継発して化膿性肘関節炎をおこすことがあります。肘関節端が露出し、創孔から漿液または膿汁を多量に漏出します。
体温の上昇、関節部の疼痛性腫脹、高度の跛行が認められ、患肢の全関節を屈曲させています。また蹴傷により骨折を併発することもあります。
膿毒敗血症によるものは、全身症状を呈し、関節部の腫脹、波動を示し、予後不良です。
治療法
非感染性のものは、慢性でないかぎり、予後は良好です。
挫傷性のものには、冷罨法がよいですが、該部には実施が困難なので、軽い皮膚刺激剤の塗布あるいは焼烙を行います。
内出血によりすでに腫脹している場合は、冷罨法はかえって吸収をおくらせます。
その他は関節炎の治療法に準じて行います。

