肘異形成(elbow dysplasia)
生後4~5ヶ月あるいはそれ以上の大型犬に、主に観察されています。
原因は不明ですが、遺伝的疾患です。肘突起(anconeal process,proc. anconeus)の癒合障害です。
症状
X線写真により、肘突起と尺骨との間の化骨不全による離開・転位が認められますが、その程度はまちまちです。
肘関節は側方に転位し肥厚し、屈曲時に疼痛があり、時には捻髪音を発します。一側性または両側性に発生し、間欠的跛行を呈し、犬はたえず肢を休ませています。
症状が進むと、関節面または関節周囲に骨の増生(骨瘤)、破壊的変化が現れ、関節周囲に硬い腫脹がみられ、変形性関節症が発生します。
関節唇形成、上腕骨遠位端の変形、橈骨・尺骨近位端の骨粗鬆化、関節腔形状の不整などがみられます。
時には関節機能が妨げられないため、2~3歳に達するまで気づかず、肘関節の捻転がおこり、肘突起が損傷をうけてはじめて発見されることがあります。
正確な診断には最大屈曲位でのX線側方向像による癒合障害部位の確認が必要です。
予後
治療によって跛行は改善され、一時は完全に症状が消失することもありますが、多くは関節機能障害が残存し、変形性関節症に終わります。
治療法
転位または離開している肘突起を外科的に切除します。

