眼瞼の損傷(traumatic lesions of the eyelids)
馬、犬、牛で転倒、打撲、衝突、咬傷などによって発することが多い。
軽度のものは挫傷を生じ、皮下出血、浮腫を呈しますが、一般に裂創、弁状創になりやすい。
治療法:挫傷には硼酸水による湿布、ヒルドイド塗擦などを行う。裂創、弁状創などの眼瞼の外傷は一般に良好な回復を示すから、辺縁切除はなるべく行わず、つとめて皮膚の温存をはかり、化膿を防止して丁寧に皮膚を縫合する。
縫合糸は比較的ゆるく結ぶ。
術後は動物の掻爬を防ぐことが大切で、馬は数日間張り手綱とし、犬には頸円板を装着する。包帯や眼帯のみではこれを防止できない。
眼瞼の腫瘍(neoplasms affecting the eyelids)
扁平上皮癌が馬、牛の眼瞼に発生する。これはまた瞬膜に原発して眼瞼に拡がることがあります。各種の家畜で眼瞼に乳頭腫が時に多数発生することが知られています。
血管腫、基底細胞癌、肉腫、粉瘤の発生も報告されている。
麦粒腫(ものもらい)hordeolum or stye
睫毛の毛嚢にある脂腺の急性化膿性炎で、一種の癤です。犬にみられます。眼瞼の一部に発赤、腫脹、硬結が生じ疼痛が著しい。
通常4~7日の経過で化膿軟化し、皮膚面から自然に排膿して治癒する。
ペニシリン軟膏塗布、眼瞼上から温罨法を行う。
霰粒腫(chalazion)
梗塞によっておこる瞼板腺の慢性肉芽性炎で、馬、犬に発生する。眼瞼の皮下、瞼板の中に球状の硬結を触れる。皮膚から遊離し、疼痛も発赤もない。
結膜面または皮下に破れることがあり、また自然に吸収されて消失することもある。結膜面から切開して鋭匙で内容物を掻爬し、あるいは全摘出を行うこともある。
眼瞼の浮腫(edema of the eyelids)
眼瞼皮下の疎鬆な組織中に循環障害により液体の貯留したもので、普通は発赤などを伴わないが、高度の外傷、結膜炎、眼窩骨折などの際には出血、発赤がみられる。
Smytheによると、馬ではインフルエンザ、血斑病、アレルギー性疾患に、牛では蕁麻疹、重度のジストマおよび硬口虫症、まれに創傷性心膜炎および結膜嚢の異物によっておこり、豚では慢性豚コレラの際にみられ、また腸管浮腫の診断的意味があるといわれる。
犬ではジステンパーなどの伝染病、各種皮膚炎、昆虫刺創などによるアレルギー性にもみられます。

