角の損傷(affections of the horns)
牛、羊の角は洞角cavicornと呼ばれる。前頭骨の角突起proc. cornualisを中心として、皮膚の表皮の角質層が角質化した角鞘horn sheathで包まれ、角底basis cornus、角体corpus cornusおよび角尖apex cornusに区分されます。
角鞘の弛緩、脱落した場合を脱角separation of the hornsといい、角鞘あるいは角突起の骨折を角(骨)折fracture of the hornsという。
外来の暴力、狭い牛舎内での闘争、衝突、あるいは牛舎内の隔木・スタンチオン・柵などに角をひっかけて発する。また保定時の偶発事故として発することもあります。
(ⅰ)単に角鞘の弛動した程度のものを不全脱角と呼び、完全に角鞘が脱落したものを完全脱角という。脱角では一般に角真皮corium cornusが露出し、出血、疼痛が著明です。
(ⅱ)角折は一般に斜骨折で、断面は不規則です。角真皮の損傷あるいは角突起骨折では出血、疼痛が著明で、前頭洞に通じる時は化膿、蓄膿を発する。
治療法
(ⅰ)脱角では露出した真皮をオキシドール、リバノールなどで洗滌消毒し、粘膜止血薬(プリビナなど)、サルファ剤、抗生物質を局所に適用し、ガーゼで包み、最後にタール包帯をほどこす。
このまま放置すれば、1~2ヵ月で小さい新生角鞘の発生をみる。
(ⅱ)角折の場合もほとんど同様の処置を行いますが、特に前頭洞が開口したものは止血に留意し、骨片などを除去し、洞内の汚染を防ぐためサルファ剤、抗生物質を十分に投与する。
飼養管理を容易にし、他動物への危険を防ぎ、または角損傷の治療上の必要から断角を行う。壮年の断角は角神経の伝達麻酔および局所浸潤麻酔後、角鋸または線鋸を用いて角根より切断する。
幼牛では通常生後7~14日の間に苛性カリで発生部位を腐蝕させる(徐角 prevention of growth of horns)。
