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水治療法(hydrotherapy) ~ 焼烙(firing, cauterisatio)

水治療法(hydrotherapy) 化学療法および理学療法

 
 

水治療法・罨法(pack)

 
 
10℃~15℃の冷水に浸した湿布をたびたび交換する、あるいは湿布に冷水を灌注する冷罨法(cold pack)は、表在血管を収縮させて新陳代謝を妨げ、急性炎症、喀血、神経性心臓疾患の鎮痛、鎮静、滲出抑制の目的に用い、熱傷に浸した布で患部を被う温罨法(hot pack)は、充血、吸収をうながし、消炎作用が著しい。
 
 
プリースニッツ罨法(Priessnitz’s compresse)は、冷水に浸した布をかたく絞って患部にあてがい、その上をフランネル、木綿、ビニール布で巻く方法で、冷刺激によって局部の血管がはじめ収縮し、後に温熱の蓄積によって二次的に拡張して充血がおこり、血液、リンパの循環が旺盛となって、鎮痛、消炎の効果を現す。
 
 
温罨法の強力なものとしては、アルコール罨法があります。
 
 

脚浴(foot bath)

家畜では、四肢の急性の炎症(腱炎、靭帯炎、関節挫傷、捻挫、蹄葉炎)を制御するために、8~12℃の流水中に浸漬する冷脚浴が行われます。

また35~42℃の温湯に浸漬する温脚浴は、血管を拡張させ、消炎、慢性疾患の治癒促進の効果があります。この場合にも温湯を循環流動させる時は一層効果が大きい(渦流浴:whirlpool bath)

 
 

蒸気浴(vapor bath)

頭部をのぞく全身を函に納め、そのなかを蒸気で飽和させる蒸気函浴は、体熱をうっ滞させ、温熱作用が顕著で、筋肉痛、関節痛、神経痛の治療および脱脂療法の目的に用いられます。

 
 

薬浴(dipping, medicinated bath)

主として皮膚疾患の治療に応用されるもので、硫黄浴(硫化カリ、可溶性コロイド硫黄)、糖粃浴(糖粃、米の磨ぎ汁)などがあります。

 
 

鉱泉療法(warm spring’s cure)

鉱泉は入浴、飲用、吸入などに利用されます。鉱泉は多量の固形物、ガス、特殊物質を含有して地下から湧出する泉水で、温度により冷泉(25℃以下)、微温泉(25~34℃)、温泉(34~42℃)、高温泉(42℃以上)に区分され、また酸度によって酸性泉、中性泉、アルカリ泉の別があります。

鉱泉浴には向臓器的効果(科学的成分の薬物学的効果)と非特異的な全身的効果(一種の変調作用)とがあって、健者には鍛錬と健康増進、傷者には血行改善、病者には一種の刺激療法または非特異的蛋白療法の作用をはたす。

また温浴は副交感神経緊張性にはたらいて、鎮静、鎮痛、鎮痙の作用を呈し、冷浴は交感神経緊張性に作用する。なお鉱泉の脚浴によって、局所的効果以外に、血管運動神経性、脊髄節性の作用により、内臓知覚反射を介して全身性の効果も得られる。

本邦には競走馬のための鉱泉治療所が数か所に設置されています。

 
 

焼烙

 
 
馬の運動器疾患に対して用いられることが多い治療法で、罨法、発疱剤塗布、投薬、他の理学療法などが十分の効果を示さない場合に、単独で、もしくはこれらの治療法とあわせて用いられます。
 
 
四肢の慢性炎症あるいは治癒傾向の乏しい病変に対して、主としてその在上皮膚領域に火熱をあてがい、その部に実性充血と反応性炎症を誘発し、治癒の促進をはかる。
 
 
競走馬の疾患に対して応用されることが多く、獣医界特有の技法ともいうべき治療手段です。焼烙にはしばしば烙鉄が使用される。これには円錐状、錘状、球状、刀状、斧状などの形があり、炭火、ガス火、灼熱装置を用いて加熱します。
 
 
燃料を内包する自動的焼烙器には、パクラン焼灼器(石油ベンジン)などがあり、電熱焼烙器(高周波応用)もあります。火熱の程度は焼烙の目的、疾患の軽重、部位、運動の程度などによって異なりますが、一般に赤熱を用いて、真皮に達するまで点状あるいは線状に焼灼する。
 
 
しかし骨疾患の場合には、骨に直達する穿刺焼烙をほどこすことがあります。
 
 
焼烙は慢性の腱炎、靭帯炎、腱鞘炎、骨瘤、化骨性骨膜炎、変形性関節症(飛節内種、関節性指骨瘤)、飛節後腫などの治療に適用されます。
 
 
実施の際には、関節嚢、血管、神経、腱鞘を損傷しないように注意し、焼烙後は消毒、包帯装着を行う。なお、両側肢に同時に実施することを避け、またこれを反復する場合には、症例によって1~10週間の間隔をおく。
 
 
症状が重篤な場合には、焼烙を行った後患部に皮膚刺激薬を塗布し、かつ長期の休養を命ずることがあります。そのほか焼烙法は次のような場合にも応用されます。
 
 
瘻管、潰瘍など治癒の傾向が乏しい病的組織の消毒、狂犬病ウイルス、炭疽菌、鼻疽菌、破傷風菌などの感染の恐れがある創、蛇咬創の消毒
 
 
器械的または薬物的止血法を応用し難い場合の止血、消毒と止血とをかねた烙断(断尾術、断角術、有柄の腫瘍の除去)。こられの場合には白熱を適用します。

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