無角ヘヤフォード
1817年ごろからアメリカには、イギリスから輸入されてヘヤフォードが飼われていました。1900年ごろに、アイオワ州のワレン・ガムモン(WARREN GAMMON)が、登録牛同志の交配で、突然変異による無角のヘヤフォードの出現を発見しました。
そしてこれを発展させて1つの品種を作出しました。その間ガムモンの息子の協力もあずかって大いに力がありました。これが現在の無角ヘヤフォードで、アメリカではこの分布が広まり、数が増えつつあります。
無角ヘヤフォードの詳細
無角であるということ以外、すべて有角のヘヤフォードと同じです。
能力
無角であるということは、大きな利点をもっています。
集団的に多頭飼いをしているアメリカでは、牛の角による牛同志間の被害も少なくありません。これが無角であるとその被害は皆無ということになります。
なお、アメリカでは肥育したものを、トラックで集団的に輸送します。有角のものは、その際、牛の角をペンチで切りとって輸送します。
血にまみれた牛が、トラックで長距離送られる様子をときどきみるのは、そのためです。無角のものは、この角切断の要が無くて良い。
ことに角の切断は、牛を1頭1頭チュート(Chute)という保定枠に入れて行うので、労力が掛かります。労賃の高いアメリカでは、やりにくい仕事です。
無角ヘヤフォードが喜ばれる理由の1つは、ここにあります。その上、無角ヘヤフォードはアメリカ蝿(Screw-worm)に対して抵抗性をもつといわれています。
分布
アメリカ各地に拡がりつつあるほか、ヨーロッパ各国、アルゼンチンなどに輸出されています。本邦にも北海道に少数の雄が輸入されています。