蹄関節の損傷あるいは捻挫などによっておこります。
急性漿液性および化膿性関節炎、ならびに変形性関節症が発生します。
蹄関節炎の原因
蹄冠躡傷あるいは踏創によって蹄関節包が染毒する場合は、化膿性蹄関節炎をおこします。また捻挫では、急性漿液性炎あるいは慢性変形性関節症を発します。
装蹄失宜や関節の異常刺激によっても発炎することがあります。
蹄関節炎の症状
いずれの場合も支跛を呈し、蹄関節の他動運動によって疼痛を訴えます。
特に化膿性炎症の場合は、蹄冠部に炎症性浮腫あるいはフレグモーネをおこし、指動脈拍動が強くなります。
捻挫や装蹄失宜などによるものは初期に漿液性炎を生じ、慢性に移行するものでは骨瘤を形成して変形性関節症(関節癒着)を生じます。
本症は蹄叉の鉗圧によって疼痛を発しますが、診断にはさらにX線検査を必要とします。
蹄関節炎の治療法
化膿性炎症の場合は、化膿創の療法に準じます。
無菌性の炎症に対しては、蹄鉄を除去して安静を旨とし、初期は蹄冠部の冷罨法を、また慢性に移行したものは温罨法・皮膚刺激薬の塗擦、あるいは点状焼烙をほどこします。