光線過敏症は、極度の過敏症、または重度の皮膚炎を引き起こす免疫系の反応で、日焼けに似ているように見えるかもしれません。
そして同様に日光への暴露と関連しています。
しかし、日焼けは紫外線に長時間さらされることで起こりますが、光線過敏症は、組織内に光力学性物質が存在し、それが日光にさらされ反応することで起こります。
日焼けと光線過敏症を区別することは重要です。なぜなら、後者ははるかに深刻であり、原因を特定する必要があるからです。
馬に光線過敏症が認められる部位
光線過敏症は馬の色素がない部分 (白い皮膚部分) 、主に眼の周囲の皮膚、耳、顔面、鼻口部、尾部および蹄冠など、日光に最も曝露される部分に生じます。
発症は、特定の種類の植物に直接触れてから数分以内、摂取してから数時間以内、または数日後に起こります。
光線過敏症の原因
光線過敏症は、牧草地での放牧中に特定の有毒植物を摂取したり接触したりした場合や、特定の薬を服用した場合、あるいは肝臓障害の二次的な結果として起こることがある。
光線過敏症には、一般的に一次性と二次性の2種類があります。
●一次性光線過敏症
一次性光線過敏症は、多環式化合物を含む植物に直接接触したり、摂取したりすることで起こります。
これらの化合物の例としては、一般的にはセリ科の植物種との接触により皮膚に直接移行するフラノクマリン類や、オトギリソウの植物種の摂取により皮膚組織に分布するヒペリシンなどがあります。代表的なものには以下のようなものがあります。
※蕎麦:Buckwheat (ファゴフィルム・エスクレンツム:Fagopyrum esculentum)
※バイカルハナウド:Giant Hogweed (ヘラクレウム・マンテガジアヌム:Heracleum mantegazzianum)
※セイヨウオトギリ:St.John’s Wort (ヒペリカム・パフォレイタム:Hypericum perforatum)
また、特定の薬剤(例:フェノチアジン系薬剤、チアジド系薬剤、スルホンアミド系薬剤の増強、テトラサイクリン系薬剤)の使用や遺伝子の変異によっても発症することがあります。
●二次性光線過敏症
二次性光線過敏症は肝原性光線過敏症としても知られており、馬が摂取した化学物質が肝臓の疾患または機能不全のために全身循環から効率的に除去できない場合に起こります。
ピロリジジンアルカロイドを含む植物の摂取は二次性光線過敏症の発生と関連しています。一般的な植物種には、次のようなものがあります。
※タヌキマメ属:Rattlebox (Crotolaria spp)
※ムラサキ科オニルリソウ属:Houndstongue (Cynoglossum officinale)
※エキウム属:Patterson’s Curse (Echium spp)
※サワギク:Ragwort (Senecio spp)
※立和蘭蓮華(たちおらんだげんげ): Alsike clover (Trifolium hybridum)
※キダチルリソウ属(木立瑠璃草属): Heliotrope (Heliotropium europaeum)
症状
●発赤
●炎症
●皮がむける、剥離
診断
●病歴
●臨床兆候
●身体診察
●臨床検査
治療
※暴露源を確認する。
※肝疾患の治療の可能性について
※抗炎症薬
※コルチコステロイド
※抗生物質
※フライシートやフライマスクで覆う。
※日光への露出を減らす。
予防
※牧草地に侵入する可能性のある雑草や、馬にとって有害な植物の種類を知っておきましょう。
※牧草地を定期的に散歩して、有毒な可能性のある植物の存在を確認します。
※干し草に乾燥した有毒植物が含まれていないか確認する。
※農機具を貸し借りする場合は、敷地に到着する前に、その農機具がきれいになっていることを確認してください。
※新しい動物は、到着後10日から2週間は別のパドックで隔離します。