燐 Phosphorus P ~ 剖見


燐中毒・剖見



経過極めて速かな場合には内蔵の変化は殆ど認められませんが、時間を経たものは各種の変状を示します。


而して胃腸における局所の変状は一様でなく、例えば燐の油溶液を与えたときは全く変状をみませんが、自然中毒の場合は多く著明な解剖的変化を生じます。


消化管粘膜は口腔より大腸に至るまで発赤、腫脹、出血、剥離、潰瘍、結痂を呈することがあり、胃腺は脂肪変性を示し肝臓は著しく腫大し脆く脂肪変性ならびに黄疸を現わす。


腎も亦腫大しその上皮細胞は脂肪変性します。


心臓および体筋肉は所々に脂肪変性と出血を示します。血液は暗黒色で粘膜および結締織は黄疸状です。


胃腸内容物は暗所で燐光を放ち且つニンニク様の特異な臭気を放ちます。燐蒸気を吸入したものは喉頭炎、気管支炎、肺充血および肺水腫を来す。


急性、亜急性で最も早くしかも劇しい変化を蒙るものは肝臓で、種々の程度変性乃至壊死であり、脂肪沈着は中毒後3.5時間で現れ、まずク氏星芒細胞内に次いで肝実質に見られます。


小葉内では周辺部に最も多く、次で中心部で中間層は少い。腎も亦諸種の退行変性乃至壊死をみますが、炎性変化は殆どみられない。


また、心、肝、横紋筋中のグリコーゲンは急速に減少し、中毒後8時間で既に大部分消失する。

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キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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