アニリン誘導体・ピラゾロン誘導体・スルピリン・フェニルブタゾンについて


アニリン誘導体



この系の薬物はアスピリンと同程度の下熱鎮痛作用を示しますが、抗炎症作用は弱い。


フェナセチン(phenacetin)とアセトアミノフェン(acetaminophen)


フェナセチンは体内で脱メチル化されてアセトアミノフェンに変わって作用します。


後者はアスピリンより副作用が少ないので、人体用の鎮痛下熱薬として汎用されます。


ただし、猫に投与すると代謝物が強毒性を示す。

ピラゾロン誘導体



この系の薬物は下熱鎮痛作用が強く、ピリン系薬物として汎用されていましたが、ヒトでの副作用として致死的な顆粒性白血球減少症が知られるようになってから、使用頻度は低下しています。

スルピリン(sulpyrine,dipyrone USNF)



下熱鎮痛薬として用いるピリン系薬物のうち、国内外の獣医臨床での使用経験の多い薬物はスルピリンです。


馬、犬、猫に経口または注射で用いられてきましたが、体内動態に関する研究がなく、用法用量は経験的に決められている。


したがって長期の連用は危険です。

フェニルブタゾン(phenylbutazone)



フェニルブタゾンは下熱鎮痛作用だけでなく抗炎症作用も強く、また馬に対して有効性の高い薬物として動物用に多く用いられている。

体内動態



pKa 7.2の弱酸であり、Na塩として用いられる。単胃動物での経口投与後の吸収は速やかですが、筋注や皮下注では刺激性が現れ、また経口投与より吸収が遅い。


したがって静注か経口で投与されます。


ヒトでの半減期は72時間と長いが、犬では2.5時間と短い。馬では6時間であり、投与計画の立案に便利な長さです。ヒトでの有効血中濃度は10㎍/ml以上ですが、馬ではこの1/20の濃度から有効です。


これは人血清蛋白への結合率が99%を越すのに馬血清蛋白への結合率が95%程度であることによります。したがって、馬では人体用の錠剤の1錠を1日に1回経口投与すればよく、安全性が高い。


英国では関節炎の競走馬が数年間にわたってフェニルブタゾンの投与を受けながら出走した例が知られています。

臨床応用



馬と犬における跛行の鎮痛消炎薬として用いられます。犬では1日3~4回の投与が必要です。

副作用



長期にわたる連用が必要であるために、胃潰瘍の危険があり、血清蛋白濃度を時々測定して潰瘍の発生をモニターします。

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