パラチフス(PT)は、世界中のニワトリの重要な細菌性疾患です。サルモネラ種の感染によって引き起こされるいくつかのタイプの病気の一つです。孵化場の雛が最も危険にさらされています。
ひなが孵化すると、消化管は実質的に無菌です。母鶏に育てられた場合、ひなは母親の糞便の一部を消費することによって有益な微生物叢を獲得しますが、人工孵化と育すうでは、雛はこの有益な微生物叢を獲得できません。そのため、孵化場で孵化した雛はさまざまな感染症に非常に感受性が高くなりえます。
パラチフスの診断方法
パラチフスは、疾患に関連するサルモネラ菌の存在を同定することによってニワトリで診断されます。ここで単にサルモネラの存在を検出するだけでは、パラチフスの診断にはなりません。獣医が診断を得るために行う最も一般的な検査は、以下の2つです。
●細菌培養
獣医は綿棒を使って、疑わしい部位から、体内(剖検中の死亡した鳥から)、あるいは鶏の総排泄腔、咽喉、糞、手術部位から材料を採取します。
採取された綿棒は検査室に送られ、そこで培養(増殖)されて細菌が特定されます。抗生物質感受性試験のフォローアップは、どの抗生物質がその微生物に対して最も有効であるかを獣医が判断するためにも有用です。
●抗原検出試験
細菌の表面にあるタンパク質の存在を検出する簡単な検査法。サンプルは、死んだニワトリの剖検中に、または生きている鳥から得ることができます。
臨床兆候
●嗜眠
●食欲不振
●喉の渇きの増加
●身を寄せ合う
●糞づまり
●眼の腫れ
●失明
●下垂した翼
●一定の鳴き声
●目を閉じて頭を下げる
●産卵低下
●下痢
●関節の腫れ
治療
●支持療法
群れから鳥を隔離し、安全で快適な暖かい場所に置き、新鮮な水と食餌を与えストレスのない生活をさせます。
●抗生物質
アンピシリン、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、クロラムフェニコール
予防
ひよこを孵化場から買わない。
給水器ではなく地表水からの飲水を避ける
野鳥や野鳥の糞との接触を最小限に抑える
げっ歯類の防除
若いひよこにプロバイオティクスを与えます。