
救急療法(Emergency Treatment)
救急処置を必要とする急患の通知を受けた場合は、まず患畜の全身的状態と損傷の部位や程度を聞き、診療にあたっては、次のような順序で手際よくすみやかに行う必要...
救急処置を必要とする急患の通知を受けた場合は、まず患畜の全身的状態と損傷の部位や程度を聞き、診療にあたっては、次のような順序で手際よくすみやかに行う必要...
全身麻酔の要件 全身麻酔は投与された麻酔薬によって中枢神経の機能が可逆的に抑制された状態ですが、その要件として次の4つがあげられる。意識消失(...
麻酔薬の作用によって中枢神経系の活動を一時、可逆的に抑制する方法で、麻酔薬の投与経路によって、次のように分類されます。 ●吸入麻酔(inh...
栄養の必要性(栄養不足の原因) 栄養素が生体の正常な機能を維持するのに不可欠であることはいうまでもありません。すなわち栄養素の不足や過剰あるい...
補液には(ⅰ)体液の異常喪失、循環血液量減少に対する補充輸液(補充療法)、(ⅱ)著明な体液の減少は認められないが、酸-塩基平衡が乱れた時、その電解質の不...
輸液の基礎知識 輸液とは動物体の恒常性を維持するため、水分および電解質・栄養素などの溶液を生体に補給することです。本来は輸血を意味したが、現今...
輸血によって発現する不都合な生体反応を総称して輸血副反応、また小輸血副作用と呼びますが、その主体は抗原抗体反応です。 副作用の発生要因はかなら...
供血動物の検査 採血に当てる供血動物については、その健康状態、既往症、年齢、体重などについて検査し、特に伝染性疾患、循環機能、肝機能、血液所見...
輸血の目的として挙げられる体液量や循環血液量の維持、血液の酸素運搬能の急速増加のための赤血球の補給、栄養補給として血中蛋白濃度の増加、造血機能に対する有...
輸血の目的である赤血球の補給、循環血量の維持、栄養学的価値、抗体補給、止血、造血機能に対する刺激などとあわせて緊急処置としての効果を期待するためには、給...
輸血に使用される供血動物は、健康で栄養状態が良好で、異常を認めないものを選択しますが、特に病原性微生物や寄生虫などに感染しあるいはそれらを保有するものは...
犬の血液型はvon Dungern & Hirschfeld(1914)により最初に分類されました。以来、今日までの70年間に数多くの報告がみられますが...
牛の血液型 Ferguson(1941)によって牛の親子間の同種免疫を行って免疫溶血素をつくり、溶血反応によって40の血液型を分類したのが基礎...
輸血 出血のため大量の血液喪失があった場合、あるいはショックや低蛋白血症、二次的貧血などの際に、新鮮な健康血液を補給して失われた生体の機能を回...
播種性血管内凝固症候群 止血障害のうちで、先天性の血友病Aに見られるように明らかに凝固因子中の第Ⅷ因子(他に第Ⅸ因子欠如もある)の活性のみが欠...
生体が損傷をこうむった際にみられる出血においては、破壊された血管をただちに修復して血液をできる限り血管内に保有し、かつ血流に障害をおこさないために、止血...
全身に甚大な影響を与えないような出血は自然止血の原理により処理されるのであまり支障をきたしませんが、大量の出血になるとショック状態の招来、感染などの危険...
組織が損傷をこうむり離断されると、血管もまた損傷を受けて出血をみる。出血は損傷の重要徴候の一つで、病状の経過、治療処置などに深い関連を有します。 ...
飼料効率と飼料要求率(feed efficiency and feed conversion ratio) 飼料効率とは飼料1kgの給与によっ...
薬物による感染症の治療では、薬物が感染経路や感染部位に有効な濃度に分布し、その状態が治癒するまで維持されることが必要です。 抗菌性薬の全てが酸...
由来による分類 抗生物質(antibiotics)と合成抗菌性薬(synthetic antimicrobials)に分類される。 ...
感染症の予防治療に用いられる薬物は本邦の動物用医薬品総売り上げの約70%を占めており、実用面では最も重要な薬効群になっています。 感染症の治療...
ドーピングとは競馬に"出走すべき馬につき、その馬の競走能力を一時的にたかめ又は減ずる目的で薬品又は薬剤を使用する(競馬法)"ことであり、使用する薬物をド...
筋、腱、関節の非感染性炎症の局所治療薬について。これらの疾患は馬や犬での跛行の最も大きな原因です。全身適用薬としては非ステロイド系消炎薬が用いられる。 ...
外用剤は皮膚、外表粘膜(眼粘膜)、外表に近い粘膜(口腔・生殖器粘膜など)に用いる。 皮膚の特色 皮膚は20層以上の角質細胞層から成り...
オキシトシン(oxytocin) 下垂体後葉の分泌する子宮収縮ホルモンであるが、医薬品としては合成品が用いられる。 体内動態 ...
牛では雄性ホルモンや黄体ホルモンだけでなく、卵胞ホルモンも蛋白同化促進作用を示す。 これらのホルモンの徐放性製剤を肉用肥育子牛の耳介皮下に植込...
重金属中毒の解毒に用いる薬物はいずれもキレート化物質(chelators)です。 共通的性格 科学的特色 キレート化物質と...
鉛中毒(lead poisoning):中毒の原因と感受性 犬 米国では子犬の鉛中毒が多い。廃屋からの木切れを口にくわえるためです。...
ビタミンは人の栄養学を基準にして類別されているので、家畜ではビタミンとはいえない物質も含まれている。鶏はビタミン要求性が強く、Cを除く殆ど全てのビタミン...
水溶性ビタミンは欠乏症の予防治療に用いるだけでなく、反芻動物のルーメン微生物への作用を期待した用法にも用いる。 チアミン(thiamine, ...
ホルモン薬の種類と特色 一部の例外を除けばホルモンはポリペプチドかステロイドですが、ペプチドホルモンとステロイドホルモンの体内動態や作用機序は...
甲状腺ホルモン薬 ●甲状腺乾燥粉末 豚や牛の甲状腺から作る。 甲状腺機能不全に筋注か皮下注で用いる。 レボチロキ...
天然インスリンは豚、牛の膵臓から抽出し、その最終段階で酢酸亜鉛を加えて亜鉛塩を沈殿させる。 分子量約6千のペプチドであり、2個のペプチド鎖がS...
糖尿病(diabetes mellitus) 5才以上の雌犬に多い疾病であり、雄犬とかその他の動物種では稀です。 多くの場合、膵の疾...
カルシウム化合物(薬理作用) 注射と経口投与 細胞外液中のCa濃度の恒常性は高く、20%を越すような変動は体内器官の機能に重大な影響...