慢性腎不全による骨栄養障害(osteodystrophy in chronic renal insufficiency)
慢性の尿毒症を伴うび漫性腎疾患が存在する時は、燐の糸球体濾過が減退して高燐血症がおこり、これが上皮小体を刺激してそのホルモンの過剰分泌を招き、その結果、骨の石灰塩類が動員されるために骨栄養障害を発生させることがあります。
本症は犬に発生することがあり、骨には線維性骨栄養障害症と同様の変状が現れ、頭骨の腫脹その他の変化が著しい。
ビタミンD中毒による骨栄養障害(osteodystrophy of poisoning by vitamin D)
ビタミンDの過剰投与による過多症(hypervitaminosis D)が原因で、子牛、犬、猫に発生します。血清および尿中のカルシウムと燐の含量が進行性に上昇し、骨には破骨細胞による吸収がおこって皮質は多孔性になり、一方海綿質は硬化して骨質が脆くなります。
多くの軟部組織にカルシウムが転移性に沈着し、腎障害がおこりこれが主な死因となります。