骨折の二次的合併症 ~ 骨関節炎・外傷性化骨性の線維組織炎または筋炎


骨関節炎(osteoarthritis)



骨折線が関節面に達している関節骨折の場合には、骨片を正確に正常位に整復し、かつ終始堅固な固定を持続することが要求されます。


成長期の骨では、固定した後でも骨片相互の位置関係がわずかに調整される可能性がありますが、成熟した骨では、その可能性がないから、上述の注意がことに大切です。


関節面がスムーズでないと、異常な磨滅が生じ、また骨関節炎(osteoarthritis)がおこります。


骨片が屈曲したまま固定された場合にも、関節には異常なストレスが加わって、それが骨関節炎の原因となることがあり、また虚血性の骨壊死によっても、骨関節炎がおこります。


したがって、骨折に起因する骨関節炎は、受傷後間もなく発生することもあり、また数か月、時には数年を経過してからおこることもあります。


骨関節炎の進行を阻止するためには、まず患畜の運動を制限する必要があります。


薬物療法の効果は期待できない。骨片の屈曲あるいは旋回による変形癒合が原因になっている場合には、骨切り術を行って矯正する必要があります。


骨関節炎の病変が重度で疼痛が激しい時には、関節形成術、関節固定術あるいは人工関節(prosthesis)の応用などが行われます。

外傷性化骨性の線維組織炎または筋炎(fibrositis or myositis ossificans traumatica)



これらの病変は骨折または脱臼に継発することがあります。


それらの発生は稀れではありますが、重篤な結果を招きます。すなわち、骨端部の骨折または脱臼の例で、損傷後に患部を反復して動かすと、その度ごとに軟部組織の損傷が追加されて、靭帯、関節包および骨膜の断裂または剥離、血腫の形成、未分化の結合織細胞と骨膜の骨芽細胞の増殖および海綿質性の骨の形成という一連の反応がおこり、ついには大きな骨組織の塊が形成されます。


その結果として、関節運動が種々の程度に制限され、予後不良になるおそれがあります。


したがって、損傷時には、出血と組織刺激を抑制するため、できるだけすみやかに、患部の不動化と圧迫をはかる必要があることがわかります。


経過が慢性で、すでに骨の増殖が停止している場合には、骨の塊を切除できることもある。

キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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