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脳神経外科の一般的検査法(Neurologic Examination) ~ 必要な稟告の聴取



一般に、脳、脊髄、および末梢神経の疾患では、病巣の除去、損傷や奇形の修復および機能障害や疼痛に対する処置などがおこなわれます。


神経は大別すると、中枢神経系と末梢神経系に区別されます。中枢は脳および脊髄を示し、末梢はこれより出て終末の諸器官に至る神経で刺激伝導路となる。


刺激伝導路の神経線維を機能性に分けると、一つは知覚神経で、末梢に生じた刺激を脳や脊髄内の中枢に向かって伝達し、他は運動神経で中枢から末梢に向かって刺激を伝導するはたらきをもっています。


自律神経系は、意識と無関係に呼吸、循環、消化、栄養、分泌、生殖などに関与し、交感神経と副交感神経からなり、これらはいずれも中枢神経系と末梢神経系のなかに混在している。

脳神経外科の一般的検査法



外科診断上神経機能の検査は重要な意味をもっていて、損傷や腫瘍、感染病などの診断や予後判定を下すうえにきわめて有力な指標を与えるものです。


神経機能は原則的には下位の、原始的神経機能と、これを支配統制している上位の高等神経機能とに分けることができます。


したがって、神経機能に異常がおこると、その病変が上位であれば抑制解除による症状release phenomenonが現れ、下位の場合には欠損による症状deficiency phenomenonが見られる。


抑制解除症状としてあらわれるものには、筋の強直、反射性の亢進など下位神経機能の過剰な反応があり、欠損による症状としては知覚や運動の伝達障害、反射の減退や消失などが見られ、また局所の血流、栄養などが円滑に行われないため萎縮や変性などがおこる場合がある。


このような諸症状を視診、触診、理化学的検査などによってしらべるのが神経機能の検査法であって、その方式は大体つぎのように行うのが便利です。

必要な稟告の聴取



神経疾患の診断にあたっては、人医学においては、乳幼児の場合を除いて自覚症状を重要な診断上の根拠にできますが、家畜においては自覚症状が判らないため、飼主などの他覚的所見による稟告に頼らなければなりません。


また品種、性、年齢など単純なことがらも診断上有力な助けとなることがあります。


また現症が麻痺である場合にも、良く質問すると初期には逆に緊張があったことがわかることなど、稟告の聴取にあたっては、単純なことまでも綿密にきかなければならない。


神経症状をしめす家畜の疾患のなかには、先天的または遺伝的のものも少なくなく、これらは元来内科学で取り扱われますが、他の外科的神経疾患と混同して上診する場合があるので、これらについて類症を鑑別し、診断を下し、予後を判定する上で各種家畜の遺伝的疾患について知っておく必要があります。


しかし、単純な先天的異常と本質的な遺伝的異常とを区別することは容易ではなく、獣医臨床では多くはすぐに殺処分されてしまうために詳細な報告が少ないので、今後臨床上この点に留意する必要があります。


神経疾患に先天的または遺伝的素因がみとめられる場合は多くは予後不良です。

キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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