ぺっとくすり

脳の腫瘍(症状・治療法)


脳の腫瘍(neoplasms of the brain)



家畜における脳の腫瘍は、一般に壮齢または老齢のものに発見されます。


原発性腫瘍の場合が多く、犬や猫では星細胞腫が多く、このほか稀突起膠細胞腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、松果体腫、髄膜腫などがみられる。


また、ともに馬で硬膜や軟膜あるいは脳室の脈絡膜に線維腫、黒肉腫、肉腫、内皮細胞腫、真珠腫などが発見されています。

症状:



脳腫瘍は、その発生部位やおおきさおよび周囲組織への影響などによって症状を異にしますが、一般脳炎や水頭症の症状に類似している場合が多い。


元気食欲は不振で、無気力となり、横臥することが多い。


腫瘍による軀幹・四肢への影響は運動失調の形で一側性に現れ、脳病巣部位と反対側に出るのが普通です。体表の知覚も鈍感になり、あるいは消失することがあります。


たとえば頭部のいわゆる顔面神経麻痺は腫瘍の発生部位と同側に現れますが、頸部や軀幹では反対側におこる。


患畜は、しばしば癲癇様発作を招き、また旋回運動を呈し、激しく咆哮するもの、あるいはときに茫然停立し、なかには精神障害を表すものがある。


本症は上記の症状からある程度疑うことができますが、一応、脳波およびX線検査(コンピューター断層写真)が行われる。


なお、老犬において、下垂体前葉の腫瘍(腺腫、癌腫)がときどきみられる。


本症はACTHの分泌過剰によって、副腎皮質が刺激され、糖質コルチコイドの分泌が増加して発症したもので、一名クッシング病Cushing’s diseaseといわれます。


なお、副腎皮質の過形成や腫瘍による副腎原発性のものは、クッシング症候群Cushing’s syndromeという。


患犬は、多飲、多食、多尿を特徴とし、腹部膨満(腹腔の脂肪沈着、脂肪肝)や筋萎縮を伴うため動作が不活発です。


脱毛し、皮膚は色素沈着をみるものが多く、精巣や卵巣の萎縮がみられる。頭部のX線撮影(腹背方向)によって、トルコ鞍の腫大変形が認められ、また肝臓の腫大・変位など異常陰影が観察されます。


一般に、白血球数が増加し、血糖や血清コレステロール、S-Al-P、S-GPTが増加する傾向があります。高ナトリウム血症や低カルシウム血症も特徴とされています。


尿量は多く、尿比重は低い。

治療法:



脳腫瘍の治療は、犬では開頭脳手術が用いられますが、発生部位によって効果を異にする。


すなわち、腫瘍が大脳皮質の表層に位置し比較的小さいものでは、外科的摘出が容易ですが、大脳皮質下神経核や脳幹などの深い部位、あるいは広範囲におよぶものでは摘出が困難です。


なお、犬の脳外科については、腫瘍の早期発見がかなり難しいこと、および開頭脳手術法にも改良の余地があるなど、今後にのこされた問題が少なくない。


Cushing病の治療には、一般に対症療法が行われる。


なお、下垂体腫瘍に対しては口蓋からトルコ鞍に接近してその摘出手術が、また副腎皮質の腫瘍では開腹手術による副腎の摘出が試みられています。

キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
スポンサーリンク
336×280
スポンサーリンク
336×280