ミミキジ(カケイ) Brown eared-pheasant

ミミキジ
ミミキジ


大きくて立派な雉です。チベットから支那の北西部に棲む高山鳥で、高山にだけしかいません。


此の鳥は、他の雉にない特徴のある姿をしておりますが、雌雄は同形同色で、区別はベテランでないと解りません。雄の方が幾分雌より大きいとか、眼の周囲の裸出部が大きいとか蹴爪は雄の方が短いのですが、脚は勿論雄の方が丈夫だとかで、雌雄の区別を判定します。


ミミキジには5種ありますが、褐色、白、青灰色等で、褐色と白色のものが稀種で、青灰色のものは普通種で、日本にも此の種のものは沢山居ます。


尾は幅の広い沢山の羽から成り立っていて、先端で曲がっているのが特異です。初列風切りが次列よりずっと短いです。


耳には覆い羽があって、此れが頭の両側から長く伸びて先で上に曲がって出ております。


自然界における餌は球根、根などを強い嘴で掘り出して食べるのですが、繁殖期には昆虫を食します。又、相当声高に鳴く鳥で、繁殖期には雌雄で鳴き合います。


此の鳥は繁殖は容易で、雌雄を同居で飼います。


大きい鳥ですから、少し広い飼育場を用意します。又湿気を特に嫌いますが、体が大きく美しい鳥で、亦人にも良く馴れます。


餌は普通の雉用飼料を与えると良いのですが、野菜を豊富にやらないと羽を食う食毛癖が出て困らなければなりません。広い場所で飼うのも結構です。


雛は大きく、又4ヶ月もすれば成鳥と同じ外観と大きさになります。此の鳥は野鶏、孔雀に次いで人に良く馴れる鳥で、翼を切らなくても空を飛ぶ意欲があまりなく放し飼いにする事が出来ます。


卵はやや茶色を帯びた無斑の白色で、大きさは6cm x 4.2cmあり、孵化日数は24日~28日です。


褐色ミミキジは一番高価で稀種とされていますが、白色ミミキジには更に得難いものがあり、筆者は白色ミミキジの方が好きです。


白色ミミキジは耳羽は短いです。
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キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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