マラソン剤 Malathon
パラチオン系殺虫剤の毒性を軽減する目的で、1950年頃にアメリカACC社が合成したもので人畜に対する毒性はパラチオンの1/100位となって、燐剤中もっとも低い。
製品は1952年に発表されました。
性状
純粋なものは黄色油状で、比重1.23(25℃)特有の臭気があります。
本剤の有効成分はS-(1,2-diethoxycarbonylethyl)-O, O-dimethyldithio-phosphateでb.p. 150~157m.p.2,850水に難溶で145ppm、アルカリには不安定でpH7.0以上5.0以下で容易に加水分解し、鉄、銅の金属により変質します。
マラソン剤の種類
(a)マラソン粉剤
灰白色の粉末で特臭があり、有効成分3%と1.5%を含む2種があり、反当り3kg位を撒布します。
(b)マラソン乳剤
黄褐色の特臭ある液体で有効成分を50%含みます。
撒布液は2000~4000倍を用います。
殺虫力と毒性
多く園芸作物の害虫に用いられますが、毒性が少ないのでハエ、蚊の駆除に適し、畜舎や堆肥などにも用いられます。
マウス経口LD₅₀mg/kg、420です。