キバナノハウチハマメ(Yellow lupine)L.Iuteus
キバナノハウチハマメが最も有毒で総ての部分殊に種子に多いですが色々な事情によって差異があり甘ルーピンは飼料として無害に利用されます。
本毒は乾燥によるも無毒とならない。
毒成分は詳かではありませんが、ルピノトキシンLupinotoxinと称ばれ、次の4種のアルカロイドが報告されています。
◎ルピニンLupinin C₁₀H₁₉NO
◎ルピ二ジンLupinidin C₁₅H₂₄N₂、或いはルパニンLupanin C₁₅H₂₄N₂O
◎オキシルパニンOxylupanin C₁₅H₂₄ N₂ Oなどがあります。
羊の被害が最も甚しく山羊、牛、馬、豚の中毒があります。
症状
羊の症状は突然発病し食欲欠損、体温上昇し、40℃前後の間歇性発熱を示し漸次下降します。
脈搏、呼吸の増加、黄疸、眼瞼、唇、耳の腫脹、循環器竝に消化器障害あり、知覚麻痺、昏迷、反射機の興奮、顎の痙攣、震戦、搐搦様痙縮、竝に出血性下痢、蛋白尿を来します。
経過は急性では数時間~1日、多くは4、5日を要し、慢性では少量を連続して摂食したときに見られ、黄疸を欠き15~20日継続し削痩と貧血が著しい。
療法
科学的解毒薬は稀酸類で醋酸、硫酸、塩酸、燐酸などの稀薄液の内用です。
下剤は油類下剤を用い、塩類下剤は禁忌です。初期には過マンガン酸カリ液の内用も効があります。