低カルシウム血症は、ニワトリの血中カルシウム濃度が危険なほど低い場合に起こります。主に雌鶏の問題であり、特に放し飼いの鶏や過剰な産卵形質を持つことで知られる品種の問題です。これは、産卵には卵殻形成にカルシウムが必要であり、その結果、卵殻が体内から枯渇するためです。
ニワトリにおける低カルシウム血症の原因
ニワトリの低カルシウム血症には多くの原因があり、毎日の食餌で十分な量のカルシウムを摂取している場合でも原因があります。以下のものを摂取しているニワトリでは、食餌性カルシウムを減少させることがあります。
●シュウ酸を多く含む食品(キャッサバ、ほうれん草、ニンジン、ビートの葉、レタス、サツマイモ、カブ)は、不溶性のシュウ酸カルシウムを形成し、カルシウムの利用率を低下させます。
●過剰なビタミンC
カルシウムと相互作用するビタミンやミネラルには、カルシウムと相互作用するもの、カルシウムと相互作用して体がカルシウムを吸収するのに必要なもの、カルシウムと相互作用しないものがあります。
カルシウム食品源
●カキ殻:38% Ca
●炭酸カルシウム:40% Ca
●骨粉:26% Ca:13% P
●リン酸一カルシウム:17% Ca:25% P
●リン酸二カルシウム:21% Ca:20% P
●リン酸三カルシウム:23% Ca:19% P
●脱フッ素化リン酸岩:34% Ca:19% P
●リン酸キュラコ:35% Ca:16% P
●リン酸 (75%): 25% P
ニワトリのカルシウム栄養必要量
様々な生活段階のニワトリにおけるカルシウムの必要量は以下の通りです。
●初生雛用飼料:孵化して6週間:0.90% Ca:0.40% P:Vitamin D3:200 ICU
●中雛用飼料:6週~20週:0.80% Ca:0.30% P:Vitamin D3:250 ICU
●採卵鶏用飼料:20週間以上:4% Ca:0.31% P:Vitamin D3:375 IU
●繁殖鶏用飼料:20週間以上:3.25% Ca:0.35% P:Vitamin D3:300 IU
ニワトリがカルシウムを吸収するためには、十分な量のリン (P) とビタミンD3が必要です。
臨床兆候
●産卵低下
●小さな卵
●薄殻の卵
●骨折リスクの増大
治療
●カルシウム
食餌に含まれるカルシウムの経口補給、または砕いたカキの殻や石灰岩など、カルシウムを豊富に含む食品を自由に選択できるようにする。