
ヨーロッパでは、ラージ・ホワイト、アメリカでは単にヨークシャーといっています。本邦では大ヨークシャーです。
ベーコン型の代表的なもので、古くからイギリス各地に、大型で大垂耳の肢の長い粗野な白豚(Large white といった)がいましたが、とくにヨークシャー州とランカスター州に多く、これが本種の基です。
19世紀の初期では本種は大型で骨も太く、長脚で腰部の貧弱なものでした。また被毛は白色の剛毛で、皮膚の所々に黒斑があり、晩熟でした。
19世紀の中ごろから頭部の小さい、立耳の被毛の細い白色レスターを交配して改良。また、1部には小ヨークシャー系のものの血液も入れられ、現在の体型が成立しました。
大ヨークシャーの外観
白色大型のブタ、体重は生後6か月で約75kg、12か月で150~190kg、成豚で350~380kgです。頭はやや長大で、鼻はほとんどしゃくれていない。
耳は大きく、やや前方に向かって立つ。
頸は比較的軽い。胸は広く深く、肋はよく開帳し背は半直か、少し弓状に曲がり、胴伸びがよい。
腹部は充実し、ことに脇腹の発達がよい。また、脂肪は一般に薄い。後軀は広く長く、腿の充実がよい。四肢は少し長く、やや骨太です。
能力
ベーコン型として古くから有名。赤肉と脂肪との割合が良い。
産肉能力も優れ、イギリスの成績(1959)によれば、肥育した場合、体重92kgに達する日令は平均179日、飼料要求率は3.4(体重1kg増すのに飼料が3.4kg必要という意)と枝肉歩留72.9%、背脂肪の厚さ、平均2.0cmとある。
1腹平均産子数は10.7頭、生後8週の平均哺育子豚数は8.0頭です。やや早熟。
分布
イギリスをはじめヨーロッパ、アジア、アフリカ、オーストラリア、カナダ、南北アメリカなどに広く分布しています。
ベーコン型として良質なベーコンを得るために繁殖されているほか、産肉能力の高いことを利用して、経済的なミート型のブタを作る目的で交雑されています。
本邦にも古くから輸入されましたが、試験研究用くらいで、一般には普及しませんでした。現在はいない。