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内ヘルニア・腸間膜ヘルニア・大網のヘルニア


内ヘルニア(Internal Hernia)



外部に膨出し、外見しうる外ヘルニアに対し、腹腔内において生理的に存在し、または後天的に生じた腸間膜、大網、横隔膜などの裂孔、裂隙、陥凹部、盲嚢などに腹腔臓器、組織が潜入したものは、ヘルニア類似の状態ではありますが、外見上明らかでないので、内ヘルニアという。したがって、ヘルニア輪は存在するが、ヘルニア嚢ははっきりしない。


後天的に生ずるヘルニア輪は、転倒・打撲などにより腹部が急激に圧迫された時、腹腔内手術の失宜などが原因と考えられますが、明確には把握し得ない。


すなわち、腹圧を亢進させる誘因がない場合にも内ヘルニアは発生するもので、ほとんどのものが、小腸が裂隙に嵌入して発症するものです。


小腸は蠕動および腸内容の移動によって、狭小な間隙から潜入することができるとともに、外ヘルニアのようにヘルニア嚢によって潜入する腸の量が制限されないことも多いので、思いのほか多量の腸が狭い間隙を通過することがあります。


これらは多くヘルニア輪により絞扼され、血液循環障害をおこし、潜入した腸は腫大し、もとに戻れなくなり、狭窄を発し、ついには嵌頓をおこし、重篤な腸閉塞となります。


外表からの確診が困難なため、死後にはじめて発見されることが少なくない。


特に牛では、腹痛など外見症状が不明瞭のことが多いため、発見が遅れる。直腸検査、X線診断、時には試験的開腹手術も必要となります。


横隔膜ヘルニアは、ほとんど無症状で経過することがあります。

腸間膜ヘルニア(mesenteric hernia)



腸間膜の裂孔、陥凹部に小腸が潜入して発することが多い。


馬、牛に発生するといわれています。

大網のヘルニア(hernia of the omentum)



網嚢孔foramen epiploicum(foramen of Winslow)あるいは大網の裂隙に小腸が潜入し、腸閉塞をおこすことがあります。


また牛の結腸円盤が大網の裂隙にはいりこんで嵌頓をおこし、重篤な腸閉塞をおこすこともあります。