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筋の損傷と筋炎


筋の損傷(Injuries of Muscles)



比較的大きい外来の機械的原因によって、筋の挫傷、または稀れに開放性損傷が発生します。


筋線維の方向に平行した創傷では筋の裂開は少なく、直角の場合は裂開度が大きい。家畜では、打撲、衝突、転倒などの鈍性外力によって発する挫傷が多い。


軽度の時は保存的治療法で治癒しますが、重度の時は局所の微小ないし比較的大きい血管が損傷を受けて皮下出血(溢血ないし血腫)が発生し、時には吸収が遅れて、凝血、膠様浸潤から血行障害をきたし、壊死組織を生じ、摘出などの外科的処置を必要とするようになります。


また筋膜が損傷されると、筋の一部がそこから皮下に脱出して筋ヘルニアmuscular herniaを生ずることもあります。


さらに激しい機械的原因、たとえば難産時の胎児牽引、過激な運動、骨折の二次的損傷、強度の筋の伸展・収縮などによって筋の断裂を発することがある。


一般に腓腹筋(牛、馬、犬)、胸筋(牛、馬)、鋸筋(牛、馬)、腰筋(牛、馬)、第三腓骨筋(牛、馬)などの筋断裂が知られており、その他外傷、栄養性全身疾患から特発性の筋断裂も少なくない。


犬などの小動物では、筋の横断裂は比較的少なく、縦裂のおこることが多いとされています。


しかし交通事故による小動物の轢創、あるいは大動物の転倒、墜落、衝突などの場合に、骨格筋が広範囲に激しく挫滅されると、血漿が漏出して血液濃縮が起り、筋からミオグロビンが遊離してミオグロビン尿が出現し、またこのミオグロビンが尿細管を閉塞して次第に乏尿、無尿となり、尿毒症の状態に陥って死亡することがあります(圧挫症候群crush syndrome)。

筋炎(Myositis)



外傷性筋炎myositis traumatica


馬が過激な運動、トレーニングの失宜などから、関係する筋および筋群が、さまざまな程度の挫傷、牽引、断裂および捻転をうけて発するもので、運動性(職業性)の筋炎というべきものです。


そのほか牛、小動物などにも角突、蹴傷、一般外傷・挫傷から発することもあります。


特殊筋炎specific myositis、線維組織筋病fibrotic myopathyなどの表現もみられます。


症状


概して歩様が強拘で歩幅も伸びず、さまざまな程度の跛行を示し、患部は指圧に対し敏感で、疼痛を示します。部位によっては、直腸検査でも明らかこともあります。


時に体温の上昇をみとめ、皮下出血があれば、触診で血腫様波動をみとめ、その量が多くなると(50ml以上)組織での吸収困難となり、予後は不良です。


馬の運動に関係するものとして、前肢では、上腕二頭筋、上腕頭筋、上腕三頭筋、上腕筋、胸筋、後肢では、中臀筋、副臀筋、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋などに発生する。


治療法


原因を探求し、それをかならず除去する。


休養安静を主とし、その程度に応じて一般炎症療法を実施します。

キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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