ハリスホークの特性



原産地はアメリカ合衆国南部から南アメリカにかけてです。北米では主に砂漠地帯に生息していますが、南米ではマングロープにまで生息域を広げています。


自然界では群れで生活し、一羽のメスが中心となってその群れを統率します。


群れの構成員は、中心となるメスに番う複数羽のオスとその番から生まれた子供の鷹です。


又、年長の子供の鷹が年下の鷹の面倒を見ることが知られています。


気温の高い地域が原産地であった為寒さに弱い傾向があります。


冬期の飼育や訓練に注意を払わないと比較的温暖な地域でも障害が発生することがあります。


ハリスホークを十分な防寒対策を行わずに飼育した時に発生する障害にWing Tip Oedemaと呼ばれるものがあります。


これは、翼端に浮腫が発生し、それが引き金となって翼端に近い風切羽が何本かまとまって脱落してしまう症状です。


又、凍傷にも掛かりやすいので注意が必要です。


群れで生活する為に他の猛禽類に比べて知的な能力が高く、飼育時には非常に馴れやすいですが、逆にそれが原因となる問題が発生するケースも多く、 特に、日本で伝統的に伝承されてきた網懸のオオタカの訓練方法を適用してしまうと確実に問題行動を起こすようなります。


ハリスホークは賢いと言われていますが、それはハリスホークの賢さを伸ばすような飼育や訓練をした場合ということであって、 ハリスホークをオオタカのように飼育・訓練するとオオタカのようになってしまうと言われています。


ハリスホークの社会には序列があるため、見知らぬハリス同士を近づけると序列を決定するための掴み合いを行います。


この時に、どちらかが殺されることもあります。


インプリントされたハリスホークは飼い主に構ってもらえなくなると毛引きを起こすことがあります。


インプリントされたハリスホークのメスは、自分の群れのメンバーであると認識している飼い主に近づく他人に対して非常に攻撃的になります。


上記の理由により、現在、欧米ではハリスホークがインプリントされることは殆どありません。ハリスホークはインプリントする必要が無く、インプリントした場合その弊害のほうが遥かに大きいからです。


餌鳴きはインプリントされた猛禽に頻繁に起こる問題行動ですが、ハリスホークの場合、ペアレント・レアードでも頻繁に起こります。


ハリスホークは他の種類の猛禽を襲うことが有りますが、その方法は不意打ちです。


全く関心がないという風を装っていながら、突然攻撃をかけるので、ハリスホークをフリーにする場合、他の種類の猛禽が襲われないように注意する必要があります。


ハリスホークには下位の個体が上位の個体の上に乗るという習性があります。この習性はスタッキングと呼ばれます。


ハリスホークは犬を怖がったり襲ったりする性質を持っています。


これは、犬が自然界における天敵であるコヨーテに良く似ているからであろうと考えられています。


若いハリスは骨格が弱く、取り扱いには注意が必要です。


余り若い時期に繋いだりすると脚を骨折することもあります。ジェス等を装着するためにキャストする時、骨が折れることもあります。


ハリスホークをペアレント・レアードする場合、3ヶ月以上親鳥に育てさせるのが望ましいと言われています。

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キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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