蟻洞とは、蹄壁角質の内層と葉状層が分裂して空洞あるいは膿瘍wall abscessを形成した状態をいいます。
蟻洞の原因
蹄の過度の乾燥、器械的刺激(硬地上の激労、広蹄で地面を叩くように歩くもの)に起因。
また慢性蹄葉炎のため、蹄尖部の角質と知覚部の分離したものにみられ、白帯裂が深部に上向して本症を発することもあります。
蟻洞の症状
蟻洞が上方より負縁に達しているもの、あるいは負縁から上方へ発生したものでは、除鉄後、洗浄もしくは削切によって発見できます。
負面から上行して、蹄冠部に達し著明な跛行を呈することがあります。
広範囲に大きな空洞を形成した場合は、その部の蹄壁が多少隆起し、打診によって鼓音を発します。本症は一般に経過が長く、軽度のものでは跛行を呈しない。
蟻洞の治療法
原因を除去して、平坦に削蹄したのち空洞を洗浄し、木タールまたはテレピン油を浸したガーゼを充填します。
蹄鉄には側鉄唇を設け、また鉄枝の幅の広い連尾蹄鉄を用いて患部の負重を減免する必要があります。
患部の蹄壁角質を薄削し、大きな側鉄唇をつけた鉄板蹄鉄を装着して、角質の新生をはかる根治療法があります。