燕麦、小麦、玉蜀黍などの穂、茎葉に寄生するもので病部は初め白色ですが直ちにバラ色に変色し古くなると表面に黒色小粒点を撒布します。
本菌の毒成分は不明ですが、蛋白質および含水炭素の分解による有毒窒素化合物でヒョリンおよびアミン酸が検出され、また脂肪酸より有毒なリゾレチシンLysolecithin類似の物質が証明されています。
ヒョリンはアルカロイドの一種です。従来馬、豚などに中毒があり殊に豚は飼料に1割混入すると中毒を起します。
牛、羊、鶏などは抵抗力が強い。したがって本病に侵された麦類は塩水で洗い毒成分を除き抵抗力の強い家畜に給与すべきです。
症状
消化器系の障害で著しいカタール性炎症を現わし、その他肺、腎、子宮、膣などの出血と流産を起すことがあります。
本菌に抵抗力の強い家畜でも食欲不振、体重の減少がみられます。
療法
先ずタンニン水の内用により毒物の変化を促し消化器粘膜に収斂性を与え、または下剤によって早く体外へ排泄させます。
次で粘滑剤を投与して粘膜面の保護をなす。その他は対症療法で以後の飼料も本病菌の混入しないものを用いることです。