大動物
馬の腓骨は上半のみが独立した骨で、下半は脛骨体に癒合しています。牛の腓骨は退化がもっとも著しく、わずかに近位端と遠位端がのこるだけです。
これらの腓骨の骨折は、脛骨の骨折を伴うことがなく、実際上は支障がありません。しかし、豚の腓骨は、全長にわたって独立した、かなりの大きさをもつ完全な骨で、近位端と遠位端は脛骨と関節結合しています。
豚の腓骨の骨折はふつう脛骨の骨折と合併して発生します。
しかし、これらの骨折の治療は実際上はあまり行われません。
小動物
犬の腓骨は、豚と同様、全長にわたって独立した完全な骨ですが、体重を負担する役割をほとんど演じていないので、骨折がおこっても、特に治療をほどこすことはありません。
脛骨の骨折と合併した場合にも、手術的治療は脛骨に対してのみ行われます。
猫の腓骨は、腓骨外果の骨折をのぞけば、同時に脛骨の骨折がおきている場合以外は、発生がごくまれです。