沸素 Fluor F ~ 症状


症状



沸化物は一種の腐蝕剤であつて、接触により局所作用激しく、炎症、潰瘍を生じます。


殊に歯の琺瑯質が腐蝕され火山病として牛馬の症状は慢性の胃腸障害を来し、斑状歯の他食欲不振、体重の減少、体毛の粗硬化を来し、心臓および呼吸器系の病変、腎臓障害や尿の減量、乳量の漸減ならびに性周期の障害や流産を招き、また骨腫、硬組織の脆弱化があり、中枢神経の障害、甲状腺肥大などが認められます。


前記ヨナ歯(斑状歯)Mottled Teethは黒褐色斑紋状の着色や歯牙の磨滅破砕の速かなことを意味し、馬においては前歯2.1|1.2に多く切歯近遠心部の唇面に灰白色乃至白色の小波濤状を呈するもので、何れも咬耗を呈し、尚褐色色素の外部より沈着するものがあり、相当深部に色素が沈着しているものもあります。


牛では4.3|3.4または4321|1234に多発しますが、馬と異り一般に美麗白色で4.3|3.4の発育不良を示すものが多い。


而してこれ等色素の鏡検に就いて、歯牙の表面に沈着した外部性の色素とは性質や部位において全く異なり、深在性で、琺瑯質および象牙質の内部に深く一定の配列の下に存在し、沈着の程度や色調は左右が同様であつて、これは明らかに歯牙の新陳代謝と密接な関連があり、代謝異常産生物として体内性に由来するものであろうと推論しています。


ヨナ病につき多年研究において臨床上次の型に分けられるといっている。


(1)琺瑯質部のレッチュース氏褐色線、ならびに象牙質の球間腔洞やトームス氏顆粒層が著明になる結果、点状または線状に白斑の現れるもの‥シロヨバナ


(2)その部に他の色素の沈着したもの‥シロヨバナ


(3)最も重症なもので歯全体が白蠟色、脆弱となり、磨滅の甚しいもので、消化器障害を併発しているもの


また、斑状歯の色や磨滅の程度と沸素量の関係は次にように濃くなるほど含量が多いという。


800ppm正常。800~1000正常のものと判別困難。1000~1500白濁、光沢なし、一部淡黄色。1500~2000不規則な黄色~黄褐色。2000以上、黄褐色、磨滅。


なお阿蘇地方の火山灰試食家兎の血液的所見は、10日目頃より赤血球、白血球、血色素の減少を来し、一時的に網状ならびに多染赤血球の増加を来すが、後には減少します。


また体重も一般に漸減し、10日頃より急激で、26~103日で斃死するという。

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キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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