硫酸鉄(ferrous sulfate,経口用鉄化合物) ~ 貧血で最も多いのは鉄欠乏貧血であり、その予防治療に鉄化合物が用いられる



貧血で最も多いのは鉄欠乏貧血であり、その予防治療に鉄化合物が用いられる。

経口投与する鉄化合物には水溶性の鉄塩を用いる。硫酸鉄(硫酸第一鉄)は最も汎用される化合物です。

経口吸収

人では二価鉄の経口吸収率が三価鉄より高いが、鶏やラットの試験では、この差が認められない。

家畜における二価鉄と三価鉄の吸収率の相違については知られていないが、臨床的には硫酸第一鉄と塩化第二鉄が同程度の有効性を持つといわれている。

吸収の促進と阻害

鉄の水溶性を高める物質、例えば糖、アミノ酸、有機酸などは経口鉄の吸収を促進する。

逆に鉄と不溶性塩を形成する燐酸塩、重炭酸塩などは吸収を抑制する。

キレート能を持つ薬物、例えばテトラサイクリン類は吸収を強度に抑制する。

飼料中には一般に燐酸塩が多いので、鉄化合物はなるべく胃腸内容の少い時期に投与する。


臨床応用



大量の出血の後とか、臨床検査によって鉄欠乏貧血が診断された個体には小用量を連日投与する。一時に多量を投与すると吸収率が低く、また胃腸障害を併発し易い。


犬猫の貧血症治療では少なくとも2週間以上の連続投与が必要です(人では数か月)。


鉄化合物の経口投与によって血中のヘモグロビン量は1日に0.2~3%ずつ上昇してくる。


治療によってヘモグロビン量が正常値範囲になっても、さらに数日の投与が必要です。

副作用



過量投与による副作用には、嘔吐、下痢などの胃腸障害が多い。


長期にわたる過量投与によっては①肝などの細胞にヘモシデリンが沈着するヘモシデリン症や、②さらに全身性にヘモシデリンが沈着して肝硬変を伴うような重症のヘモクロマトーゼが発症する可能性もある。

キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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