鉄 Fe ~ 症状


硫酸鉄(硫酸第一鉄、硫酸亜酸化鉄)FeSO₄



硫化鉄鉱FeS₂を僅かに焼いて空気中に放置して製します。而して水溶液から結晶させると緑色の結晶緑礬SeSC₄・7H₂O green vitriolを生じます。


これは収斂性の味を有して大気に触れると風化し1.8分の水に溶解して帯藍緑色の液となります。


緑礬はインキの製造、染色、防臭などとし、医薬としては、水溶液を収斂剤としあるいは止痢剤乃至胃腸の止血剤とします。

塩化第二鉄(過クロール鉄、一半塩化鉄)Fe₂Cl₆+12H₂O



乾燥した黄色の結晶塊で微かに塩酸様の臭気があり、酸性で著しく湿気を引き易く、水に全く溶解する。過クロール鉄液は水と等分に溶かしたもので止血剤に用います。

症状



鉄塩中、硫酸鉄および過クロール鉄液は大量に用いると毒性を生じ胃腸粘膜、肝腎に刺激乃至腐蝕作用を呈します。


これについて試験した報告によれば、馬に対し凡そ250gの硫酸鉄を内用すると斃死し、また驢馬に180g、3ヶ月の幼駒に30gの硫酸鉄を与え、何れも烈しい腸炎を発し24時間以内に斃れたとのこと。


また馬に180gを与えると疝痛、著明な衰弱、便秘、多尿を発したが、6日で回復し、犬は硫酸鉄2gで嘔吐し8gで斃れた。


注射では3頭の犬に7.5gの硫酸鉄を皮下注入し、12、15、27時間の後に何れも死し、その剖見では胃腸炎と、広汎の出血斑があり、静脈内注射では馬に対し5gで不安、食欲減退、便秘あり、犬は0.5gで嘔吐、疝痛があります。

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キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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