ドングリ中毒症は多くの動物種で発生し、オークの小枝、芽、葉およびドングリに含まれる加水分解性タンニンの摂取によって引き起こされます。
オーク(コナラ属)の木は、世界中に500種以上存在し、そのうち70種が北アメリカで発見されています。また、すべての種は動物に対して毒性があると考えられます。
オークは葉の色によって、赤、黒、白の3種類に分類され、黒と赤のオーク種は、他よりも多量のタンニンを含むことが報告されています。
緑のドングリと新芽の葉には、最も多くのタンニンが含まれているため、動物の中毒のほとんどのケースは春と秋に発生します。 落ちたドングリは、木から落ちた後、数か月間有毒のままです。タンニンにはタンパク質結合特性があり、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼなどのいくつかの消化酵素を阻害することが知られています。
また、アヒルに摂取されると、タンニンとその代謝産物は、深刻な胃腸障害、腎機能障害、そして場合によっては機械的閉塞を引き起こす可能性があります。
ほとんどの場合、アヒルに最初に食べられた数日後に、中毒の兆候が現れます。 診断と治療が遅れると、致命的となる可能性のある深刻な腎臓と肝臓の損傷につながることがよくあります。
ドングリ中毒症が疑われるアヒルの唯一の治療法は、問題の迅速な認識、支持療法、およびアヒルの体内から毒素を取り除くのを助ける利尿です。
通常、アヒルはドングリを食べることを好みません。しかし、ドングリが好きで、積極的に食べに行こうとするアヒルが時々います。ドングリを問題なく食べられるカモ(オシドリ等)もいますが、中毒症状を起こすカモもいます。
症状
●衰弱
●嗜眠
●吐き戻し
●食欲不振
●抑うつ
●粘膜が白っぽくなる(蒼白)
●口渇の増加
治療・サポート
●支持療法
5%アミノ酸およびビタミンB複合体2mLを1Lバッグに混合して60mL/kg/日で投与するクリスタロイド液療法(2.5%デキストロース含有ノモソール-R)
●全血輸血
貧血の重症例で必要となることがある。
●非ステロイド性抗炎症薬
メロキシカム(0.2mg/kg皮下注、24時間ごと)
●抗生物質
エンロフロキサシン(10mg/kg、筋注、12時間毎)
●栄養補助食品