鶏や鴨に使用する薬剤というのはある程度決まっているのですが、投与したものの効果にキレがなかったりした場合の代替薬剤等、ほとんどが動物用医薬品ですが、人間用の医薬品も使います。
近隣に鶏を診てくれる獣医さんが居ないので、抗生物質、駆虫薬、各種ワクチン類やその他、局所麻酔や縫合セット等も揃えていますし、実際、糸結びや注射等ふつうにします。
病気の予防・衛生的な飼育管理が大切
体調の悪い鳥は、赤外線ヒーターで温めた部屋に隔離して休ませます。保温するだけでも随分と体調が良くなる場合があります。まずは保温。
●バイロシン錠50mg (バイトリルのジェネリック)(ニューキノロン系)
サルモネラ・マイコプラズマ・伝染性コリーザ
3日~7日
定期的に駆虫等しているにもかかわらず、鶏が体調不良の場合(食欲不振、元気喪失、羽毛を逆立てて沈うつ、下痢や様子がおかしい等)、直ぐに飲ませます。
経験上、大概回復します。投与期間ですが、投与後、2~3日目で回復が見られても必ず5日間は投薬を継続(用法用量通リ)します。2~3日目で回復して投薬を止めてしまうと必ずと言って良いほどまた具合が悪くなるからです。
[海外版バイトリル]バイロシン50mg(犬猫兼用)
●ドキシサイクリン(テトラサイクリン系)
マイコプラズマ病
5~10日連続
●タイラン:(タイロシン)(マクロライド系)
マイコプラズマ
1~5日
●アイブロシン水溶散(マクロライド系)
マイコプラズマ
3~5日連続
●フラジール錠
抗トリコモナス・駆虫
5~10日連続
[フラジールジェネリック]メトロジール200mg
●アモキシシリン20%細粒(ペニシリン系)
呼吸器感染症・細菌による感染症、壊死性腸炎
3~5日連続投投与
●ビブラマイシン錠:(ドキシサイクリンの錠剤)
5~10日連続
駆虫剤(虫下し)
●ダイメトン散 (抗コクシジウム)
鶏コクシジウム症の予防
5日連続
●塩酸レバミゾール (虫下し)
回虫・毛様虫の駆虫
3日連続
●バイコックス2.5%
鶏コクシジウム症の治療(予防)
2日連続
●イベルメクチン・ポアオン
体内(線虫、回虫)・外部寄生虫駆除(ダニ、疥癬ダニ、シラミ等の駆除)
体内・外部寄生虫を駆除できる便利な製品です。
ワクチン類
●ND生ワクチン(局所免疫)
ニューカッスル病の予防、10mlの生食水で溶解し、左右の鼻腔に1滴ずつ滴下
余談になりますが、鶏が開口呼吸、削痩、首をしきりに左右に振ったり、喉をゴロゴロ鳴らすとかの症状の場合は寄生虫(気管開嘴虫)が気管に寄生している場合があります。
大量に寄生すると鶏が窒息死してしまいますので、注意が必要です。